3話 宗七、動き始める
俺はけがのため剣の訓練はできないがなまらせないため、無手で刀をかわす訓練をする
午前中は清音が相手をしてくれる。
俺は、清音の刀をぎりぎりで見切りかわしていく。
午後は弥次郎が相手をしてくれる。
俺は弥次郎の刀をぎりぎりでかわそうとするが、彼の刀はかわしたところから伸びてくる。
弥次郎から痛いのをもらう。
それでも彼は加減をしているのだ。
本来なら骨折箇所が増えているだろう。
その後、魔力コントロールの訓練をする。
その間、俺は呪符を作る。
祓い屋をしていたころは使っていたが、異世界に来てからは使っていない。
しかし、鬼柳と戦うためには祓い屋の能力も必要だと思っている。
俺がけがの治癒を待っている頃、宗七たちは大治に着く。
宗七は、番頭見習い以下3人の使用人に角倉と取引のある商人を回らせる。
内容は、奴国の商人を紹介してくれることである。
いくら取引があっても奴国の商人を紹介してはくれないだろう。
しかし、奴国の商人に会わなくては話にならない。
宗七は、取引のない商人の所へ行く。
4人は初日、商人にまったく相手にされずに終わる。
2日目も同じ商人の所へ行く。
宗七は、俵屋と言う店に通うことにする。
俵屋は大治で1,2を争う豪商である。
俵屋の壮吉は宗七に言う
「角倉さん、しつこくないですか。私も暇でないんですよ。」
「これは、重要なことですのであきらめることはできません。」
「今日の所は帰ってください。」
「明日お邪魔します。」
宗七は俵屋を出る。
宗七は町を見て回ることにする。
彼は、ある店で見たことのない笛を見つける。
宗七は店主に声をかける
「変わった笛だね。」
「使うことはできないよ。」
「どうしてだい。」
「これは能鬼師の笛だよ。」
「これで鬼を操るのかい。」
「そうだよ。能鬼師にしか使えないよ。」
「笛を教えてくれる人はいないのかい。」
「知らないよ。」
宗七は能鬼師の笛を買っていく。
宗七は帝に宛て、能鬼師の笛を送る。
2日目も良い知らせはない。
3人の使用人も苦労している。
宗七は3日目も俵屋に行く。
壮吉は宗七にいう
「あんたの相手をしている時間はないよ。」
「昨日、能鬼師の笛を見つけました。」
「そうかい。」
「能鬼師について知っていることはありませんか。」
「能鬼師は奴国の凶賊の村で受け継がれている技だよ。」
「凶賊の村はどこにありますか。」
「行くつもりかい。」
「必要ならば行きます。」
「やめておけ。よそ者は殺されてしまうよ。」
「場所を知っているのですか。」
「話せないな。」
「そうですか、明日また来ます。」
宗七は俵屋を出る。
宗七は町を見回った後、宿に戻る。
使用人たちも戻ってくるがよい報告はない。
彼は能鬼師の里、凶賊の村について書いた書簡を帝へ送る。




