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2話 菊の評価

 翌日、俺たちは角倉を出て、旅に出る。

 宗七のことは心配だがどうすることもできない。

 1泊して2日目の夕方、四宮に着く。

 門番は、俺たちに気づくと声をかけてくる

 「おかえりなさい。」

 「ただいま。」

門番の1人が館へ走る。

 俺たちが通ると町の人々が声をかけてくる

 「討伐おめでとう。」

 「おかえりー」

俺たちは手を振ってこたえる。

 館に着くと聞くと影平が迎えに出ている。

 俺たちは馬から降りると菊の前で片膝をつき

 「帝の勅命果たしてまいりました。」

 「大儀でした。あとは部屋で話しましょう。」

俺たちは菊の部屋に行く。

 菊は俺に言う

 「左腕にけがをしたそうですね。」

 「はい、骨が折れています。」

 「腕が治るまで結婚できませんね。」

 「やはり、結婚するのですか。」

 「これまで待っていたのですよ。」

 「はい。」

 「それに清音や千代さん、日奈をこれ以上待たせるつもりですか。」

 「いえ。」

 「つな様は一度に、妻と側室を持つのですから幸せですね。」

 「はい。」

俺は冷や汗が出てくる。

 菊は弥次郎と千代音に言う

 「貴族の仲間入りですね。」

 「まあ、これまでと変わりませんよ。」

弥次郎が言うと菊は

 「貴族にふさわしい立ち居振る舞いをしてもらいます。影平に習うとよいでしょう。」

菊の言葉に弥次郎と千代音は青くなる。

 2人は影平が苦手である。

 菊は最後に達郎と美代に声をかける。

 「官7位になりましたね。これで私に会いに来ることが出来ますよ。」

 「そうなんですか。気づきませんでした。」

 「あなた方もいずれは貴族になるのですからしっかりしてください。」

 「はい。」

俺は菊に質問する

 「姫様、宗七に鬼柳を調べさせているのですか。」

 「はい、適任だと思います。」

 「危険ですよ。」

 「彼は仕事を成し遂げると思っています。」

 「彼は商人です。」

 「私は、彼を軍師に取り立てるつもりです。遊ばせておくつもりはありませんわ。」

 「姫様は、宗七が遊んでいるというのですか。」

 「彼は一介の商人で収まっておる人物ではありませんわ。」

 「高く評価しているのですね。」

 「彼は時流を読んでうまく立ち回っていますし、人を見る目もあります。」

 「角倉はどうなります。」

 「彼がうまくするでしょう。結婚式までには仕事を終わらせてほしいですね。」

俺は菊が宗七を高く評価していることが判る。

 確かに四條道隆が反乱を起こした時も事前に菊に軍を呼び寄せておくように助言している。

 それに人を見る目は確かだ。


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