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14話 勝成、考える

 黒鬼の襲撃後、館の中は騒然となる。

 氏原勝成が起きてきて俺に聞く

 「何があったのですか。」

 「黒鬼の襲撃です。」

 「討伐は無理だったようですね。」

 「はい、逃げられました。」

 「撃退したのですか。」

 「はい、しかし黒鬼は無傷です。」

 「すごいですね。」

 「でも、逃げられています。」

 「討伐軍500を退けた黒鬼を6人で戦ったんです。うわさどおりです。」

勝成は、残念がるより感心する。

 館の中は、人々が右往左往しているが、俺たちは眠ることにする。

 明日の黒鬼の襲撃のために睡眠をとりたいのである。

 朝食は、達郎と美代のアーンから始まり異空間と化す。

 勝成は、このとんでもない連中が黒鬼を撃退したとは、見ただけでは疑いたくなる。

 彼らが誰よりも早く黒鬼の襲撃に気づいて応戦したことは間違いない。

 彼は、この醜態(しゅうたい)は敵を(あざむ)く作戦に違いないと思う。

 彼らは普通でないのだ。

 常に戦いに備えているに違いないのだ。


 俺たちは、いつものように午前中は、剣技の稽古を始める。

 勝成は、彼らの稽古を見て、剣技のレベルの高さに驚く。

 俺たちが休憩に入ると、勝成が話しかけてくる

 「黒鬼の件はどうしますか。」

 「今夜、また襲ってくるでしょうから待つつもりです。」

 「勝算はありますか。」

 「同時に両腕を切り落として首をはねます。」

 「あなた方の剣技なら可能ですね。」

 「難しいですが、傷を治される前に首をはねれば討伐できるのではないかと思っています。」

 「館に兵を配置しようと思っています。」

 「必要ありません。被害が増えるだけです。」

 「分かりました。」

勝成はつなたちの剣技を見て勝てると思っている。

 午後も俺と弥次郎の剣技の訓練の後、魔力のコントロールの訓練をする。

 夕食も昨日と同じ光景が繰り広げられる。

 勝成は、なんとなく慣れてくる。

 つなたちは、その後、中庭に落書きをして、その中で静かにしている。

 勝成は、気になりつなに聞く

 「何をしているのですか。」

 「陣を張りました。この中で黒鬼を待ち伏せます。」

 「まる見えですが。」

 「化け物には見えません。静かにしていれば気づかれませんよ。」

つなの言葉に勝成は考えることをやめる。

 つなたちは、黒鬼を奇襲することに決めている。

 こうして夜は更けていく。

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