6話 帝の召喚状
俺と清音、弥次郎、千代音、達郎、美代の6人は菊の部屋へ呼ばれる。
菊は俺たちに話し始める
「帝から召喚状が来ました。」
「俺宛ですか。」
「いいえ、熊野つなたちとあります。」
「何かあったのですか。」
「大治と言う町の近くの村で黒鬼が出たそうです。」
「大治は西の国境ですよ。」
弥次郎が言う
「ええ、鬼柳儀幽が用意したようです。」
「現れたのですか。」
「帝の元に現れたそうです。」
「奴は何をしに現れたのです。」
「黒鬼をつなのために用意したそうです。」
「俺を殺すつもりですね。」
「つな様は鬼柳に目を付けられたようです。」
「そうですね。」
「皆さん今回は十分注意してください。」
「はい。」
俺たちは、旅の準備を始める。
達郎と美代は旅に備えて、乗馬訓練をしていた。
翌朝、俺たち6人は馬に乗り出発する。
1日目の夕方になる。
俺たちは寝る場所を決めると美代が陣を張る。
清音と弥次郎、千代音が感心する。
弥次郎が美代に言う
「美代さん、陣を張れたんですね。」
「つな様に習いました。」
美代は答えると俺に聞く
「どうですか。」
「よくできているよ。」
美代は、魔力の使い方が上手である。
深夜、大牙が2匹来るがしばらくして立ち去ってゆく。
翌日の午後、扶桑に着く。
俺は門番に言う
「熊野つなである。領主の植松様にお目通り願いたい。」
門番の1人が館へ走ってゆく。
俺たちが、町に入ると町の人々が声をかける
「つな様、清音様、おかえり。」
「角倉の守り人だ。」
俺と清音は手を振り答える。
美代が驚いて言う
「つな様、清音様、人気ありますね。」
「2人にとって、この町は特別ですから。」
弥次郎が言う。
領主の館に着くと植松良房が待っている。
「つな殿、清音殿、弥次郎さん、千代音さん、達郎さん、そちらは美代さんですね。」
良房は、新しく加わった美代のことを知っている。
彼の情報は、相変わらず早いようだ。
「はい、私が美代です、よろしくお願いします。」
美代が挨拶をする。
良房は挨拶もそこそこに
「中へどうぞ。」
と俺たちを広間に案内する。
良房は話を始める
「今回は。帝の召喚で立ち寄られたのですね。」
「はい、帝の前に鬼柳が現れたそうです。」
「あなた方の前にも表れたことは、菊姫の書状で知っています。」
「黒鬼のことは、何かわかっていますか。」
「大治の近くの村に現れて、剣士4人と討伐軍250人が死んでいます。」
「手ごわいようですね。」
「はい、弓矢や刀が通用しないようです。」
「軍は赤鬼の角の刀を使ってますよね。」
「はい、剣士も赤鬼の刀でした。」
「私たちは牛鬼の角の刀です。通用するかもしれませんね。」
「それは期待できないでしょう。」
「なぜですか。」
「黒鬼は、つな殿の相手に鬼柳が用意したものです。」
「俺を殺すための鬼ですか。」
「はい、問題は討伐軍の戦いで村が壊滅して、黒鬼がどこに出るかわからないのです。」
「黒鬼探しから始めると大変ですね。」
「黒鬼探しは、領主の氏原勝成が行います。」
「なら、戦いに専念します。」
「勝ってくださいよ。そうでないと鬼柳には勝てませんよ。」
「分かりました。」
俺たちは、黒鬼が強敵と言うことしかわからなかった。




