7話 菊の勅命
翌朝、目が覚めると清音が俺に話しかけてくる
「調子はどお。」
「調子って?」
「昨日、お酒飲んで帰ってきたでしょ。」
「ああ、達郎と盛り上がってしまって。」
「飲みすぎよ。」
「はい。」
「いつ、戦いになるかわからないから、お酒は気を付けて。」
「反省しています。」
「抱き着くなら、お酒を飲まないでね。」
俺は、しらふなら、清音に抱き着いてもいいのかと思うが、恥ずかしくてなかなかできそうにない。
達郎は朝になり目を覚ます。
横には美代が寝ている。
うん、寝顔もかわいい。
いや、そうじゃないと達郎は飛び起きる。
よく見ると美代の部屋にいる。
達郎は昨夜のことを必死に思い出す。
美代に正座させられて説教されて・・・
そこから記憶がない。
美代が目を覚ます。
達郎は、美代に言う
「夜、俺は何をして・・その~、責任取ります。」
「達郎様、何の責任を取るのですか。」
「それは、夜、一緒に寝たから、その、あれだよ・・・」
美代は赤くなる。
「俺は、美代のこと好きだからしてしまったんだ。」
「私が寝ているうちに何かしたのですか。」
「その、美代を抱いたんじゃ・・・」
達郎は歯切れが悪い、記憶がないのだ。
美代は、達郎が考えていることに気づき笑う。
「達郎様は何もしていませんよ。」
「説教していたら寝込んでしまわれたので、寝かして添い寝をしていたのです。」
「えっ、それじゃあ何もしていないの。」
「はい。」
達郎はチャンスを無駄にしたと残念に思う。
それでも美代が添い寝してくれたのだ。
達郎は良しとする。
菊は、弥次郎と千代音に使いを頼む。
弥次郎と千代音は、よろず仕事斡旋所に通うことになる。
菊は、達郎と美代の官位を上げるため、村を救うような依頼を2人に探してもらっているのである。
盗賊団などが出れば都合よいが、今は情報にない。
数日後、弥次郎と千代音は、ある依頼に目を付ける。
2人は、依頼を受付に持っていき、この依頼を菊姫の預かりにする。
菊は、達郎と美代を部屋に呼ぶ。
彼女は2人に言う
「四宮から歩いて3日かかる村で、村人が青鬼に攫われました。」
「これから、青鬼を退治してきてください。」
達郎が言う
「青鬼は大喰らいですから、急いだほうがいいですね。」
「2人で行くのですか。」
美代が聞く。
「青鬼は5匹だそうです。大丈夫でしょ。」
達郎と美代は剣の腕を上げてきている。
弥次郎が大丈夫と判断しているのだ。
「姫様の命果たしてまいります。」
達郎が言う。
「必ず成功して見せます。」
美代が言う。
達郎と美代は、旅の準備をするとすぐに村を目指す。




