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4話 課題

 翌朝、朝食の時、広間に俺と菊、清音、千代、日奈、弥次郎、千代音、影平、達郎、美代が顔を合わせる。

 昨日、弥次郎と千代音は出かけていていなかったのである。

 菊がみんなに言う

 「こちらは美代さんです。今日、課題をこなせたなら一員になります。」

 「美代です。必ず課題をこなしますのでお願いします。」

弥次郎が言う

 「かわいい子が来たね。歓迎するよ。」

影平が咳払いをする。

 美代は弥次郎と千代音を知っている。

 彼女が知る限り一番の凄腕である。

 昨日のつなと清音といい、化け物じみた集団の中にいると感じる。

 それに自分を入れて4人が忌み人である。

 菊姫は忌み人を気にしないのは本当らしい。


 俺の前に千代が移動してくる。

 すると左右にいる清音と日奈が詰めてくる。

 千代がおかずを箸にとり、アーンをしてくると清音と日奈が真似をする。

 影平が俺を睨む。

 弥次郎が千代音にアーンをせがむ。

 千代音は頭を振ると諦めたのか、弥次郎にアーンをする。

 美代は食事の作法を知らないので真似をする。

 達郎にアーンをしたのだ。

 達郎は春が来たように幸せになる。

 菊は手が震えるがこらえる。

 こうしてカオスな朝食は続いていく。


 朝食後、美代の課題が開始される。

 美代は館を出る。

 達郎は気配を消して監視する。

 美代は通りを歩き男を探す。

 午前中歩き回るが男は見つからない。

 仕方なく屋台で食事をとる。

 すると美代は男たちに囲まれる。

 美代は男たちを無視して食事を終える。

 いつも絡んでくる男が言う

 「いい度胸しているな。昨日の男はどこだ。」

男たちは達郎に仕返しをしたいらしい。

 美代は落ち着いたまま言う

 「昨日の続きしなくていいの。邪魔が入ったから残念なの。」

 「これはとんだ好きのもだな。いいぜ。」

男たちは、美代を取り囲んで裏通りに連れていく。

 男は周りに人がいないことを確認するとにやつきながら言う

 「じゃあ、始めようか。」

 「そうね。」

美代は答えると男の水月(すいげつ)掌底(しょうてい)を撃ち込む。

 男は一撃で気絶する。

 男たちは一瞬何が起こったのかわからなかった。

 忌み人が手を出すとは夢にも思っていなかったのである。

 美代はもう1人の水月に掌底を撃ち込む。

 男たちが激高する

 「この忌み人風情が何をする。」

 「ぶち殺せー」

男たちは美代に向かってゆく。

 美代にとって男たちの動きは、一つ目に比べれば、非常にゆっくりしたものである。

 掴もうとする手をかわし男の(あご)に軽く手をかすらせる。

 男は脳震盪(のうしんとう)を起こし倒れる。

 美代は男たちの中で舞うように動く。

 顎を撫でられた男は倒れていく。

 監視している達郎は美代の体術に舌を巻く。

 男たちは気づくと2人になっている。

 2人は逃げ出す。

 美代が手刀を振ると2人は倒れ立ち上がれなくなる。

 手刀に力を乗せて、力の刃を飛ばし足の腱を切ったのである。

 そこへ役人たちが来て男たちを連れていく。

 男たちが美代を裏通りに連れ込んだ時には、菊の指示を受けた役人たちが待ち構えていたのである。

 屋根の上には、役人たちを案内した弥次郎と千代音が美代を見ている。

 千代音が言う

 「あの子、きれいな戦いかたするのね。」

 「まあまあかな。」

弥次郎が答える。

 気配を消していた達郎が美代に近づき言う

 「成功だね。」

 「このくらいで失敗していたら、あの中に居られないわ。」

美代は、清音や千代音ならもっとうまくやるだろうと思う。

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