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2話 旅立ち

 俺たちは、九条正親たちに起こったことは知らずに四宮に向けて馬で旅に出る。

 大通りでは街の人々が見送ってくれる。

 清音や弥次郎、千代音たち忌み人にも声がかかる。

 俺は差別がなくなったように感じるが、これは錯覚である。

 清音や弥次郎、千代音が特別なのだ。

 1日目の夕方が来る。

 襲撃があるかもしれないと警戒してるが、その気配はない。

 寝る場所を決めて陣を張る。

 深夜、一つ目が2匹やってくる。

 俺たちは静かにして立ち去るのを待つ。

 突然、達郎が陣を飛び出す。

 彼は、奇襲して1匹目の一つ目の首をはねる。

 2匹目がするどい爪を繰り出し、達郎を引き裂こうとする。

 彼は危うく避けながら刀を振り、一つ目を傷つける。

 俺が助けに出ようとするが弥次郎に止められる。

 しばらく、達郎と一つ目の攻防が続く。

 疲れてきたのか達郎と一つ目の動きが鈍る。

 ついに達郎が一つ目の右腕を切り飛ばす。

 一つ目は逃げだそうとするが、達郎は逃さない。

 背中から刀を刺す、一つ目は動かなくなる。

 弥次郎が達郎を採点する

 「20点と言うところですか。」

 「弥次郎さん、一つ目を一人で倒せば、剣士としては一人前ですよ。」

 「普通の腕前では、ダメです。私たちと共に戦うのですよ。」

 「勘弁してくださいよ。」

 「大丈夫です。鍛えますから。」

 「お手柔らかに。」

弥次郎は冷や汗をかく。

 「達郎さん、どうして一つ目を狩ったのですか。」

俺が尋ねる

 「それは、金がないと食べれないからさ。」

 「これからは、その心配はないですよ。」

 「そうだったな。」

 「達郎には、これからも一つ目を狩ってもらいましょう。」

弥次郎が提案する。

 達郎の腕を磨くためらしい。

 達郎は嫌そうな顔をする

 2日目は何事もなく過ぎる。

 3日目の午後、扶桑に着く。

 扶桑は四宮へ行く途中にあり、領主の植松良房は情報通である。

 何より角倉の宗七に会わなくてはならない。

 俺は門番に言う

 「熊野つなである。植松殿にお目通り願う。」

門番の一人が走って行く。

 俺たちは、馬に乗り領主の館へ向かう。

 通りかかる街の人が声をかける

 「お帰り。」

 「討伐おめでとう。」

もう、土蜘蛛討伐の話は知られているようである。

 この時、俺たちは知らなかった。

 植松良房からとんでもないことを聞かされることを・・・

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