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11話 国府からの召喚

 討伐軍の行動は、頼之だけでなく、副官、兵士たちからも聞き取りが行われる。

 1週間後、頼之は帝に召喚される。

 彼は、失敗の責任を取るものだと覚悟を決めて応じる。

 彼は貴族たちが両側に並ぶ中で部屋の中央に正座して帝を待つ。

 帝が入って来るとみんな平伏して迎える。

 帝は頼之に言う

 「今回の討伐軍の結果は残念であった。」

 「九条頼之の指揮に誤りはないと判断して、罪は問わない。」

頼之は耳を疑う。

 「どうした、頼之。」

 「はい、(つつし)んでお受けします。」

竹丸を推す貴族たちは納得がいかない。

 今泉清光が声を張り上げる

 「なりません、帝の軍が敗北したのですぞ。」

 「私が軍を率いても勝てないでしょう。罪は問えません。」

 「しかし、陛下の御威光に傷がつきますぞ。」

 「ならば、そちが討伐軍を率いるか。」

 「分かりました。しかし、その前に推薦したい者がおります。」

 「誰だ。」

 「熊野つな殿です。つな殿に無理なら私が討伐軍を率いましょう。」

 「なぜ、つなを推薦する。」

 「彼は黒い牛鬼を倒しています。それに天下無双だとか。彼の腕前を見たく存じます。」

 「そこまで言うなら彼に任せてみよう。」

 「お待ちください。討伐軍がかなわなかったものを相手にするのは酷です。」

九条正親が帝に考え直すように(うなが)す。

 「そうだが、彼は黒い牛鬼の時も討伐軍がかなわなかったのもを討伐したぞ。」

 「確かにそうです。」

討伐軍の次に土蜘蛛の相手をするのは、つなに決まる。

 国府から四宮に馬が走る。


 菊の元には植松良房から討伐軍が負けたとの情報が入っている。

 俺と清音、弥次郎、千代音は土蜘蛛の討伐に備えて訓練をしている。

 俺と清音は、弥次郎に足音を消す方法を学ぶ。

 思うようにいかなかったが何とか形になってくる。

 俺は弥次郎と千代音に刀に魔力を乗せる方法と刃の形にして飛ばす方法を教える。

 教えると言っても我流である。

 さらに丹田に力を籠める練習をする。

 これは弥次郎と千代音に効果がでる。

 2人の力が増したのだ。

 しかし、力を籠めるのに時間がかかるので練習が必要だ。

 そんな中、国府から菊の元に書簡が届く。

 菊の部屋に俺と清音、弥次郎、千代音が呼ばれる。

 菊が俺たちに言う

 「国府から土蜘蛛討伐についての召喚状が来ました。」

 「俺たち4人にですか。」

 「名前があるのは、つな様だけですが4人で行ってもらいます。」

 「達郎は、どうしますか。」

 「国府に着いたら達郎に会って、5人で帝に謁見(えっけん)する方が良いと思います。」

 「見つからないことも・・・」

 「はい、時間がかかるときは謁見を優先してください。」

 「分かりました。」

 「4人とも生きて帰ってくるのですよ。」

 「はい。」

俺たち4人は国府へ旅立つことになる。


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