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4話 フクロウの目

 よろず仕事斡旋所の依頼受付の担当者は、役所に向かう。

 依頼受付の担当者は、役所の担当者と話す

 「依頼に大牙とありましたが別の化け物のようです。」

 「どのような化け物ですか。」

 「分かりませんが、林の中に巨大な化け物がいたということです。」

 「そうですか、調査が必要ですね。」

 「そうです、軍で捜索はできませんか。」

 「それでは、帝のお耳にはいります。」

 「では、よろず仕事斡旋所で希望者を(つの)れということですか。」

 「剣士たちで対応できないでしょうか。」

 「すでに、4組が犠牲になっています。」

 「それでは、受けるものがいないかもしれませんね。」

 「その通りです。」

 「では、化け物の正体を見てくるだけで金貨5枚出しましょう。」

 「仕方ありません。そのように依頼を出します。」

依頼受付の担当者はしぶしぶ申し出を受ける。

 よろず仕事斡旋所に新しい依頼が張り出される。

 さっそく、剣士の2人組が依頼を受ける。

 金貨5枚の報酬に飛びついたのだ。

 2人は国府を出て歩いていく

 「化け物を見てくるだけで金貨5枚とは、うまい話だな。」

 「これまでに4組やられているぞ。」

 「みんな大牙だと思って失敗したんだ。」

 「日中に探せば大丈夫だな。」

 「巨大だから隠れていても見つかるさ。」

2人は簡単な仕事と思っている。

 日が暮れるころ目的地に着く。

 夜に襲われないように林から距離を取って野営をする。

 2人は大牙を警戒していたが現れない。

 朝になり、2人は林の中を捜索し始める。

 林の中は動物の気配がしない。

 静かすぎるのである。

 2人は普通の林でないと感じる。

 1時間ほど歩くと何かが飛んでくる。

 それは1人に絡みつく、それはクモの糸の束のようなものである。

 それにはクモの糸を束ねたつなのようなものがついている。

 もう1人が刀でつなを切ろうとするが切れない。

 そうしているうちに、もう1人にもクモの糸の束のようなものが飛んできて絡みつく。

 2人は釣りあげられていく、化け物は木の上の方にいたのだ。

 林の中に、断末魔の叫び声が響く。

 2人は帰って来ないため、再び依頼が張り出される。

 3人組の剣士が向かうが帰って来ない。

 依頼は張り出されるが受ける者はいなくなる。

 前の依頼を含めると6組が挑んで、達郎を省き誰も帰ってきていないのである。

 達郎が依頼を引き受けると受付に依頼書を持ってくる。

 受付嬢は達郎に

 「あなた1人ではありませんか無理ですよ。」

 「奴を見ているのは俺だけだ。」

 「でも・・・」

 「これじゃあ、(かたき)もとれない。」

 「分かりました。」

達郎は1人で依頼を受ける。

 彼は、林に向かう。

 途中、1泊して、朝、林に入る。

 林の中は、動物の気配がなく、静かである。

 彼は動き回ることなく、木の根元に隠れて、気配を探っている。

 遠くで木が揺れる音がする。

 しばらくしてまた、木が揺れる音がする。

 音はだんだん近づいてくる。

 化け物は、木を伝って移動しているのだ。

 そして、それは達郎の直上に来る。

 木の枝の影にいるが、フクロウの達郎の目は巨大なクモを(とら)える。

 達郎は、クモの吐く糸を避け、林から逃げる。

 巨大なクモは林を出て追ってくることはなかった。

 達郎は、よろず仕事斡旋所に戻り報告する。

 よろず仕事斡旋所では、達郎の目撃情報を元に化け物について調べ始める。

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