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Story(the MOON)15「君が見付からない」

the SUNとthe MOON 15話以降は二つに分かれるStoryをお楽しみください

やっとジョーを探し出せた純、二人の運命は必死に歯車を噛み合わせようとしながら進んで行く。

<こうはしていられないっ。ジョーを探さなくてはっ。>


気が付けばジョーを追い求めて、もう一度あの国へやって来ていたのだ。


<ジョーは一体何処に・・・。>


ジョーの行きそうな場所は、隈なく探してはみたけれど、当然それ程簡単には

見付かりはしないっ。


<ジョー、君は一体何処へ行ってしまったんだっ。>


俺は寝る暇も惜しんで、只管歩き続けてると言うのに。もしかしてもうこのまま

ジョーには一生会えないんだろうかっ。俺の心の中をそんな悲しい予感が過り始めた。

そしてその予感を何度も消しては、又期待に胸を膨らまそうとした。


<俺はやっぱりジョーが好きだったんだっ。>


ジョーの手掛かりを、何としてでも見付け出さなくてはっ。

しかしもう俺には、このまま見付け出せないのかも知れないっ。

そんな絶望感に打ちひしがれていると、


裏通りの盛り場で、ジョーらしき人物の手掛かりを得る事が出来たのだった。


<ジョー、今行くから待っていてくれよっ。>

心で何度もそう叫んでいた。


小さな盛り場で踊り子をしている女性が、果たしてジョーなのだろうかっ。

俺はとりあえず盛り場の裏通りで、その女性が出て来るのを只管待ち続けた。

そして・・・


純「ジョーっ」


その言葉に踊り子の女性は振り返った。


ジョー「純さんっ、どうしてここへっ、まさか私を探しに来たのですかっ?」


純「ああっ、そうだよっ。やっと気が付いたんだっ。俺はジョーが好きだって事に。」


ジョー「そうっ・・・。」


純「なぁ〜っ又一緒に暮らそうよっ。」


ジョー「それはもう難しい、私は今でも追われている身なんですっ。だからここからは

逃げ出す訳にはいかないっ。例え逃げ出したとしても、この街からの追手が来るでしょう。」


純「気になんかしなくていいさっ、さぁ〜二人で逃げだそう!」


ジョー「でも・・・。」


とその時俺は、躊躇いの表情を浮かべていたジョーの手を、思い切り引いて走り出した。

さぁ〜っ何処までも一緒に・・・心の中でそう呟きながら、夜の盛り場の細道を抜けて。


何処まで走ったのだろうか、一夜にして随分遠くまで来てしまった気がする。

随分遠くまでやって来たなっ。ここまでくれば今夜はとりあえず安心だっ。

そこで田舎町の小さなモーテルを見付けて、チェックインする事にした。

俺とジョーは薄汚れた狭っ苦しいベッドの上で、疲れた身体を癒す様にただ眠り続けた。

次の朝も同様に、ひたすら追ってが来ない方向を見計らって走り続けた。

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