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魔法動物診療所!  作者: 麺職人
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赤髪と買い物②

こんにちわ、こんばんわ、伸びをしたらそのまま足をつって30分程悶えていた麺職人です。

本屋を出た後、昼食をとるためカトルのおすすめの店へと向かっていると背後から悲鳴が聞こえてくる、何かと思い振り返ると、赤い馬の様な魔法動物が人を蹴散らしながら、通りを駆け抜けこっち方面にやって来るのが目に入る。


  「あれ、ヤバイんじゃんね?」


カトルが言うとうり大変だ此処は王都の中心街でこの国で最も人口密度が高い場所だろう。そんな場所であんな大型の魔法動物が暴れているのだ、魔法動物一体に村一つ消される事もある、幸いまだ魔法を発動させたりはしていない様だが、使う魔法の種類によっては怪我人どころでは済まないかも知れない。


  「何とかしなきゃ。」

  「何とかってアレをか?ってうわぁ!」


端っこによっていた私達の横を赤い馬が通り過ぎていく、真紅の体毛に黒いタテガミ、筋骨隆々とした四肢はとても美しい、物凄いスピードで、走るそれに何人か巻き込まれた様で直接ぶつからなくても飛ばされそうな圧力を感じる。ちなみに私はカトルの背後に隠れていたので問題ない。えっ、カトルは大丈夫なのかって?コイツは身体強化が使えるので問題ないだろう。

赤い馬が通り過ぎてた後派手な格好して、青い顔をした背の低いおっちゃんがヨロヨロ走りながら待ってくれ〜とか言っている。


  「おっちゃんあの馬おっちゃんが飼ってんのか?」


何か知っていそうなので聞いてみよう。


  「あっ、ああぁそうだ、だが俺は悪くないんだ!俺は!」

  「悪いとか悪くないとかどうでもいいからさぁ、アレを止める方法教えろよぉ」


カトルが復活した様だ、心なしかイライラしている様だが気にし無い、気にしない、カトルの威圧感に押されたのか、おっちゃんが話し始める。おっちゃんの話しによるとあの馬はセキトバという魔法動物で東の国で購入したらしくこちら西方諸国では見られない様だ、だから思い当たる魔法動物が居なかったわけだ、珍しいものなので見世物小屋で飼っていたらしいのだがいきなり暴れ出した様だ。


  「おっちゃん、セキトバが暴れ出した時おかしな事なかったか?例えば針が刺さってたとか、変なもの食べてたとか?」

  「変な事か…そう言えば何か甘ったるい匂いがした様な…」


甘ったるい匂い…暴れだす…こっちにきた時むこうの角を迷いなく曲がって来た…


  「カトル、この通りを真っ直ぐ進んだら何がある?」

  「えっと、教会と騎士団の訓練場と市場くらいかな。」


やっぱりそう言うことか、魔法動物の中により高い魔力をもつ相手と番う為に高い魔力をもつ者にしか効かない媚薬を精製するピンキーモスというのがいる、恐らく甘ったるい匂いとはこの事だろう、魔法動物には臭いや魔力を頼りに相手を探す種類も居る。媚薬に反応したセキトバが向かうとすれば、馬系の魔法動物を多く飼育しているであろう騎士団の訓練場だろう。

ピンキーモスの媚薬の解毒剤なら作り方は分かる、問題は材料だ私は今日はカトルの奢りだと聞いていたのでお金を持っていないので、薬草が買えない。カトルに買って貰える物は一つの予定だったが買って貰うしかないだろう。


  「カトル、今から言う薬草を買ってくれる?」

  「何か考えがあるみたいだなぁ、わかった貸し一つだ。」


そう言って、ニヤリと笑った。こんな時に貸し一つだなんて酷い奴だ。


  「それと身体強化で私を騎士団の訓練場まで連れて行って欲しい。」


そう言うとカトルはこの前の様に私をお姫様抱っこしようとする。


  「おい、待て、それ以外に抱えかたあるんじゃないか?」

  「生憎俺にはこれしか思いつかないなぁ。」

  「チッ、テメェふざけやがって。」

  「あのぉ、お二人とも痴話喧嘩している場合ではないのでは?」

  「アアァ!誰が痴話喧嘩してるだと!」


おっちゃんがなんか言ってきたので、思わず怒鳴ってしまった、カトルとだけは有り得ないわ!!おっちゃんは気が小さいのかスミマセンと言いながら縮こまった。


  「ハハッでも確かに言い争っている暇はないよね。ほら早く。」


うぐっ確かに言い争っている暇はない。コイツは自分の意見を曲げる気がない様で腕を私に向けて広げている。本当に頭に来るが死人が出てからでは遅いので仕方がない。


  「はぁ分かったよ、好きにしてくれ。」


私がそう言うとカトルは私をお姫様抱っこし、身体強化を掛けて走り出した。



  

  




ピンキーモス

体長15センチ 薄いピンクの翼に濃いピンクの体毛が生えた蛾、オスの翼には赤い斑模様がついている。メスは媚薬効果のある香りを発する。他の種にも効果が出るのでピンキーモスの繁殖の季節、生息地は非常に騒がしくなるとても迷惑な魔法動物。

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