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魔法動物診療所!  作者: 麺職人
23/26

目覚め

久しぶりです〜また読んでくださり有り難う御座います!!

 真っ暗な中歩いている、ここはどこだろうか?

 異常な暗さだ、月の出ない夜でも星明かりでもう少し明るいだろう。

 足下に凹凸を感じない、室内なのか?それならこの暗さも頷ける、灯りをつけずに外の光を遮断すれば夜より暗くなるだろう。

 取り敢えず出口を探して彷徨う。

 ここ、異常に広い、1時間近く歩いても壁にたどり着かない。

 壁を伝って歩けば出れるだろうと思ったんだけどな〜どうしよう。

 途方に暮れていると背後から、獣の息遣いが聞こえてくる、普段なら嬉々として近付いただろうが、嫌な感じがする。

 思わず逃げ出した、私が走り出すと獣も走り出す。

 獣の足音は、猫の様な、しなやかさを持った小さい音と湿った皮がビタンと床に叩きつけられる様な音だ、一体どんな魔法動物なのだろうか?好奇心をくすぐられるが今は辞めておこう。

 それにしてもしつこいな、なかなか逃げ切れない、寧ろ距離が縮まっている、このままでは追いつかれるけど周りがどんな様子かも判らないので対処のしようが無い。

 どうしようかと考えながら逃げていると、足に湿ったものが纏わり付き私をそのまま転ばせる。

 カエルの舌か!ヤバイ!

 前のめりに倒れた私の上に獣がのしかかる、カエルの長い舌が私を足だけでは無く身体も拘束する。

 腕には二匹の蛇が絡みつき、完全に身動きが取れない。

 ボウッと言う音と共に視界が開ける、蛇のうちの一匹が炎を吐く、照らし出された獣はランドパンサーの頭、ミリタリーフロッグの頭、バイデントスネークの尾を持つ3種類の魔法動物が混ざった様な獣、私を拘束しても噛み付いたりはしてこない、何がしたいんだ?

 

  「「「タスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテタスケテイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイクルシイクルシイクルしいクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイクルシイニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイ」」」


 唐突に頭に声が響いて来る、頭が痛い!私にどうしろって言うの!助けてと言われても何から救えば良いのか分からない!憎いと言われても私は貴方達を知らない!何をすれば良いのか分からない!

 獣がが牙を剥く。

 

  「やめて!!」


 声を上げるもそこに獣の姿は無い、夢…だったみたいだ…あれ?でも私が獣に襲われたのは現実の筈だ、東の森で…如何にも記憶があやふやだ、うまく思い出せない。

 周りを見ると自分が寝ていたのは自室ではなく何かとても豪華な部屋だ、ベッドも普段使っているゴワゴワしたものではなく、滑らかな手触りに柔らか過ぎず適度に身体を包み込む。

 壁も天井も何もかもが金の掛かった物だと分かる。

 ドコデスカ、ココ?

 部屋の外から数人の足音が聞こえてくる。

 足音はドアの前で止まり、ドアが開かれる、私は入って来た人物を見て驚いた。

 入って来たのは4人、アラン様とアンナ、まぁ部屋の豪華さ的に納得出来る、驚いたのは残りの二人だ、赤髪の美少年とデカイ衛兵、カトルとゼクトだ。

 商人の息子と唯の衛兵がどうしてこんな所に?いや、それを言ったら私もだが。


  「「「ラン!!!」」」


 アラン様、アンナ、カトルの3人が驚いた様に私の名を呼ぶ、別に良いのだがゼクトだけ無言である。

 私が呆然としていると、アンナが抱きついてきた。

 私にしがみつき泣いている、なっ何これかわいい。


  「ゔ〜ランが魔法動物に襲われて重体だって聞いて心配していましだ〜」


  「とにかく無事で良かったよ」


 アラン様が私とアンナの頭を撫でながら言う、ゼクトは無言で頷いている。

 カトルはと言うと何やら複雑そうな顔でこちらを見ている。

 どうかしたのか?


  「ラン、目覚めたばかりで申し訳ないが大事な話が有る」


 何かを決意した様な表情でカトルが言う。


  「まずどれから話したら良いか…ランは奇妙な獣に襲われた事は覚えてる?」


  「…うん」


 あんなの忘れられる筈が無い。


  「そうか…まず俺は商人でもカトルでも無い、俺の本名はシルヴェトール-フィシオゴロス、この国の第二王子だ」


  「へっ?」


  「まぁ落ち着いて聞いてくれ、俺が君の家を訪ねた所、ジゼル殿が東の森に行ったと言うので向かうと丁度君が獣に首を噛まれたところだった、俺は獣を倒して瀕死の君を王宮に運び込み兄上がフェニックス様から受けている加護、蘇生の炎で君を回復させた」


 え〜と、カトルは第二王子で本名シルヴェトール-フィシオゴロス…蘇生の炎で回復した?蘇生って私一回死んだのか?色々情報が入って来て理解が追いつかない。


  「蘇生って事は私死んだの?て言うか!カトルが第二王子!」


  「いや、死んではいないよでも唯の回復魔法でカバー出来る状態じゃなっかったから…俺はフェニックス様の加護を受けているけど未だ認められて無いから使えないんだ、だから兄上に助けて貰ったんだけど一回使うと暫く使えない物だから対価を要求されてしまってね…ランには騎士団の専属獣医になって貰いたいスレイプニルや鎧馬の病気を見る係は前からいたんだが兄上の命で新たにグリフォン、ケルピー、ワイバーンを騎獣に加える事になったけど知識不足で上手く行かないんだ、治療だけじゃ無く世話も頼みたい」


 命を救って貰ったのだからそれくらいお安い御用だ、グリフォンやワイバーンは何度か治療した事が有るが珍しい魔法動物なので其れ等に毎日会えるなんて幸せだ〜!!

 カトル…じゃ無くて第二王子だからシルヴェトール様って呼ぶべきか、敬語の方が良いだろう。


  「ええ勿論受けさせて頂きます、シルヴェトール様」


  「おっおう、有り難う…」


 カトっじゃ無くてシルヴェトール様は何故か渋い顔をしている。

 どうしたのだろうか?


  「それについては僕からも話がある」


 アラン様が罰の悪そうな顔をして言う


  「新たに騎獣を迎える件、ヴァッサル公爵家が担当する事になっているのだが、先日ドレスを買ったり、パーティーに招こうと母上がしていただろう、あれは君をこの件に巻き込む為に父上が頼んだらしい、ドレスや宝飾品を買って恩を売ったりパーティーで他の貴族の前で君やジゼル殿との繋がりをアピールして少しずつ断り辛くするつもりだったらしい…まぁ今回の事件でそれも余り意味をなさなかったのだが…知らなかったとは言え騙す様な事に僕も加担していたんだ、申し訳ない」


 そう言ってアラン様が私に向かって頭を下げる。


 「ちょっ!やめてくださいアラン様が頭を下げる必要はありませんから、でもどうしてそこまでして引き込みたかったのでしょうか?」


 カトっじゃ無くてシルヴェトール様とアラン様が顔を見合わせる、アンナとゼクトは余りわかっていないみたいだ。


  「ラン、君はジゼル殿の苗字を知らないのか?」


 シルヴェトール様が聞いて来る、苗字も何もそんな物は貴族だけの物だろう、私もばっちゃんも平民やぞ?そんなもん無いと思うんだけど。


  「どうやら知らないみたいだな、ジゼル殿…説明を押し付けたな…まぁ良いジゼル殿の苗字はシャルダンだ」


  「シャルダン!!シャルダンってあの!」


  「ああ、あのシャルダン家だ」


 ばばばばっちゃんがシャルダン家!!シャルダン家って建国神話にも出てくる、医療、政治、数学、軍略に長けた大物だ、何故か自ら貴族になる道を捨てたけど千年以上経った今でも高い支持を得ているあのシャルダン家!!


  「君は戸籍上ジゼル殿の養子になっているだろう、つまり血の繋がりは無くとも君もシャルダン家の者って事になっているからね、シャルダン家との繋がりが出来れば兄上の陣営がより強固なものになるからだろうね」


 カトルっじゃ無くてシルヴェトール様が何やら複雑そうな顔で言う、お兄さんの陣営が強くなるのが嫌なのか?


  「あの…シルヴェトール様はお兄様との関係はよろしく無いのですか?」


  「あっいやそういう訳じゃ無い、寧ろ俺は兄上を尊敬しているし陰ながら兄上の支援もしているよまぁ兄上は俺に表に出て王族としての役目を果たして欲しいみたいだけど…とにかく詳しい説明は後にして申し訳ないけどランには俺の推薦という名目で騎士団専属獣医になって貰う、兄上の申し出だし状況てきにも断れないからね、まぁ今はゆっくり休んでくれ」


 そう言ってシルヴェトール様一行は部屋を後にした、アンナだけは私からなかなか離れようとしなかったがアラン様に運ばれて行ったが。

 それにしても騎士団専属獣医か…私は面白そうだと思ったのだが何故シルヴェトール様は余り乗り気じゃなさそうなのだろうか…まぁ良いか何にしてもやる事は変わらない筈だ獣医の仕事は命を救う事だ、目覚めたばかりでまだ疲れているのだろう寝っ転がったらすぐに眠くなってきた…

 数秒でランはまた眠りにつくのだった。

 


  


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