日常
どうもこんにちは!皆さん元気ですか?
読んでいただきありがとうございます!空いた時に頑張って書いているのですが、進みが遅く投稿も時間がかかるのでそこは甘く見てくだせぇ!
休憩時間に私室で本を読んでいると自分を呼ぶ声が聞こえて来る。
「ラン!急患だよ!とっとと降りてきな!」
急患だと言うので黒い長髪を纏め、白衣を着て急いで階段を降りて声の主の元へ行くと、
サラマンダーを抱えて泣いている6歳程の少年と先程ランを呼び付けた老婆いた。
「急患だって騒ぐから急いで来てみれば、そのサラマンダー割と元気じゃないか?」
と老婆に問うと、
「その方が獣医っぽくてイイだろ」
と、ニヤニヤしている、多分こいつと話していても埒が開かないので少年に話を聞いてみる。
「なぁ、見たところそのサラマンダーには異常は無さそうだけど?」
「で、でも最近動きが遅いしあんまりごはんも食べないんだ!」
と、とても必死な様子で言った。元々サラマンダーは湿気に強くない、この頃雨が降り続いていたのでそのせいで動きが緩慢になり、それにあわせて食欲も低下したのだろう。焚き火か暖炉のそばに置いてやれば元に戻るだろう、と伝えると安心したようで、礼を言いつつ、サラマンダーを抱えて帰って行った。
老婆の方を見ると、なにやら恨めしそうな顔でこちらを見ていた。
「どうして、お代を貰わなかったんだい?」
「ばっちゃん、ちょっとした相談くらい別に良いだろ」
と言うとお前はまだ甘ちゃんだなどぶつぶつ言いながら店の奥に戻ってしまった。
ばっちゃんは戦災孤児だった私を拾い、魔法動物の治療の仕方を教え育ててくれたが少しケチというかなんというか、お金にがめつい所があって困る。今はここ、フィシオゴロス王国王都郊外で魔法動物診療所を開いている。診療所と言っても大それたものではなくて、レンガ造りの塔に申し訳程度のオペ室が付いているくらいで王都の外れから徒歩2時間程もかかる、先程の少年はよほどあのサラマンダーが心配だったのだろう。まぁすぐ近くに広大な東の森があるので薬草は取り放題だなので不満はない。そんな事を考えながら部屋に戻ると白い塊が飛びかかってきた。
「ふふっ、アルブスったら甘えたいの?今はこれから薬を作るからだめよ」
アルブスはナイトホークという魔法動物で白銀の翼と日緋色の嘴、黒真珠のような輝きを放つ冠羽を持ち風系統の魔法を使う、非常に美しい鷹である。
アルブスは渋々といった感じで私から離れ、いつもとまっている観葉植物の上に降り立った。
そのまま薬を作ろうと薬草を確認すると、必要な薬草の内の2種類を切らしてしまっていた。片方は近くの森で手に入るが、残りは今の時期では採れないので王都まで買いに行かなくてはならない。
私はばっちゃんに一言、言ってから塔を出た。
サラマンダー
体長30センチ程の赤い可愛らしい顔をした蜥蜴、口から火を吹くがガスバーナー程度で臆病な性格のものが多いが懐くと体を擦り寄せてきたりする。主に中規模の商家の子どもに男女問わず人気のペット。
ナイトホーク
体長90センチ程の白銀の翼を持つ鷹で基本的には気位が高く人には懐かない、アルブスはランに懐いているがそれは卵から育て、一緒に寝たりと甲斐甲斐しく世話をしていたから。風魔法で加速したり、風の刃を作ったりして戦う。自分より強い者にしか戦いを挑まない。