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無題
白のご婦人は言った。
「ここはお前の居場所ではない。ここはお前の居て良い場所ではない。」
黒のご婦人はただ黙して礼をし、その場を立ち去るのみだった。
そして、とある農園の花は言ったのだ。
「お前たち人間に、居て良い場所なんてあるわけがないだろう。
黒にも黄色にも、そして白にも居場所なんてあるもんか。お前たち人間は等しく寄生虫なんだ、二酸化炭素しか出せないくせにデカい顔でのさばっている害虫なのさ。それをいつまでも、黒だ白だ黄色だと虫同士で争って仲良くできないくらいなら黒も白も黄色も、くたばってしまえばいい。星にとってはそれがいちばんいい。」
白のご婦人は激昂して、農園に火を放ってしまったのでした。
仲良くできないなら、一人残らず。




