-意味不明ってそれでしょ!-
arellje.(アルジェ)と申します。
正に意味不明ですが、読んでくれれば有り難く存じます。
「ふわぁ...」
彼女の近くの窓の夜の空に紅い紅い月が浮かぶ____
[ウィズウィル]
「チュン、チュン」
外で小鳥が鳴く声が耳に届く。
「ふわぁ...」
体を起こすと外の景色が見える。
茶色の小鳥が2匹、栂池になって戯れていた。
飛んでは降り、動けば付いていき、近づいて離れない2匹を、
可愛らしく思えて完全に見入ってしまった。
気付いた時には眠気は覚めていた。
べッドを降ると、床の冷たさが足の裏に伝わってくる。
さっと簡単に布団を整え、扉の取っ手に手を掛け、
「ギギィ...」と鈍い音を鳴らして扉が開けた。
狭い狭い年期の入った家。
でも、今の給料で借りれるのはこれくらい。
それにしても寒い...まだ10月なのに...
しかも、体が怠い。
考えられるのはただ1つ、額に手を当ててみる。
「熱だ...」
今日が休みである事に職場に迷惑を掛けないと喜んでしまう私。
自分より仕事を大事にする社畜と化してしまっているが、
他所には迷惑掛けたくないのは性格だから仕方がないね。
「取り敢えず寝よ...」
寝室に戻ると、鳥はもう居なかった。
静かに再び布団を被るが、
「頭痛い...」
先刻まで、寝起きだからと思っていた頭痛が休息を邪魔しに来た。
. . .
私は時計を指指す。
時計の針は昼過ぎを指している。
体温計は40度超を指している。
体温の高さで意識が朦朧としているが、薬も飲んだし水分も摂っている。
出来る事はやり尽くした。
しかし、一向に治らない不調は、強盗に来たようだ。
ああ...目の前が暗く...
人生25年、最期はあっさりだったな...
まぁ、どうでもいいや。
これでゆっくり休める...
「あ、ごめんね?ゆっくりは出来ないかな。」
背後から声がした。
「だ、誰?あと、どういう事?」
私は死んだんじゃ...
「うん、そう死んだよ。」
...目が見えないのか、居ないのか。
暗闇の中には誰も居ない。
「貴女には別の所で生き返って貰う。だから、ゆっくりは出来ないかなって。」
「え...えっと...」
何言ってるんだこの人。
「俗に言う...転生っていう奴だね。」
「じゃ、じゃあ私は生き返れるの?」
「そう!但し、此処じゃないけどね。要するに異世界って事だ。」
此処じゃないのか...
でも、生き返れるのは有難い。
「あ、今君ありがたく思ったでしょう。」
怖っ。心読めるのかよ...
失礼な事は思わないでおこう...
「思いましたが...」
「貴女は私のせいで死んだのよ?」
は?
...いけないいけない、心読んでくるんだから。
「私の盆ミス。これは御詫び。有難く思わないでいい。」
「はぁ...」
恨むのも野暮だな。
「分かりました。」
「じゃあ、もう行く?」
「そうですね...親に"ありがとう"とだけ。」
「分かった。」
こうして異世界に行くことになった。