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4

あまりの暑さに岳は目を覚ました。

うっすらと目を開ける。

「こ、ここは?」

たしかUFOにさらわれたはずだ。

しかしこの風景はおかしい。ここは確実にUFOの中ではない。

かといって日本ではなさそうだ。

見渡す限りここはインドあたりのような気がする。

そういえばさっきから右腕が少し痛む。

「なにこれ?」

見てみると黒い点が十字架になるように浮き出ているのだ。

いつのまに浮き出てきたのだろうか。

「おいぼうず!じゃまだよ!!」

気がつくとバイクに乗ったインド系の男の人が自分にむかって叫んでいた。

岳は横へ移動する。

インド系の男の人はこっちを睨みながらどこかへ行ってしまった。

ここはどうやら商店街のようだ。

だが岳はなにかおかしいと思っていた。

なんだ?この違和感・・・

なにかがおかしい。やはりどこかがちがう・・・

岳は最初から思い返しなおした。

俺は夜8時ぐらいにUFOにさらわれた。

そして気がつくとこのインドらしきところへきていた。

気を失っているときに連れて行かれたのだろうか?しかしそれはどうでもいい。

その後、俺は右腕に十字架になるように浮き出ている黒い点を見つけた。

それを思い出した岳は十字架になるように浮き出ている黒い点を手でこすったりしてみた。

しかし落ちない。

「これはいったいなんなんだ?」

なんど懸命に消そうとしてもいっこうに消える気配すらない。

岳はしかたがなくそのあとのことも思い返してみた。

たしかあのあとインド系の男の人に文句を言われた。

いやさけばれた。

(おいぼうず!じゃまだよ!!)、と。

岳はいっしゅん理解するのに苦労した。

もう一度思い返してみる。

インド系の男の人に文句を叫ばれた。

(おいぼうず!じゃまだよ!!)

(おいぼうず!じゃまだよ!!)

(おいぼうず!じゃまだよ!!)





(おいぼうず!じゃまだよ!!)

岳の脳裏に何度もよみがえってきた。

その言葉だけが。

ここは日本なのか?インドなのか?

しかし日本にしてはやけに暑い。

いや沖縄か?しかしそれもあてはまらない。

沖縄はじめじめした暑さというものがある。

しかしここはじめじめというよりはからからなのだ。

その証拠にさっきから少し唇が渇いている。

しかもみんなインド系で服装までインドにいる人たちのようだ。

わけがわからない。

岳はじょじょに混乱してきた。



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