エピローグ
ドアが開き、井川が入ってきた。
「プロジェクトEは成功だよ」
「・・・いや失敗だ」
「何?」
井川は眉間にしわを寄せる。
「岳がしんだ」
「・・・仕方がないことだ。まさかサンプル02が撃つとは思わなかったからね」
そこへ、また誰かが入ってきた。明らかに、外人だ。
「オシバイジョーズダッタヨ」
そこに入ってきたのは、ホリユヤーだった。
ホリユヤーは拍手をしながら、歩み寄ってきた。
学が落ち込んでいるのを見ると、ホリユヤーはこう言った。
「ダイジョーブダ。タカシノ、ノウノコピーハトッテアル」
学の目が大きく開いた。
「ほ、本当か!?」
「アァホントウダトモ。コレデコピーニンゲンヲツクレバイイ」
「ははは・・・よかったな、我が息子よ」
「ふぅ・・・・よかったよ・・・」
「キミハホントウニユウシューダヨ。Mr.マナブイカワ。」
寺木学、いや本当の名は井川学だ。
今まで、ずっと寺木だと名乗っていたが、本当は井川であり、井川純一の
息子である。
岳やみんなには悪いと思っていたが、今までずっと嘘をついてきたのだ。
まあ仕方がなかったのだが。
学は胸が高鳴った。
「で、いつコピーしたんだ?」
「ユメヲミセテイルトキダヨ。」
「そうか。確かにコピーできるな。」
しばらくそういう話が続き、学は血に染まっている手を水で洗い流しにいった。
「これで・・・やっとすべてがおわった。」
すると、隣にいた純一が首を振った。
「まだだ。まだミュータントを作っていない。」
「あ、そっか。そういえば、ミュータントって何体作るの?」
「サンプル02と山名岳の2体だ。」
「どのぐらいで、できる?」
「3年ぐらいだろう」
「3ねんかぁ〜。・・・長いな」
「はははは、2体作るにはだよ。1体作るには半分の1年6か月だ。」
「でもながいよ」
「がまんしろ」
「・・・ちぇ」
学は聞こえないような小さな舌打ちをし、1年6か月後を想像していた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――続く
この話には続きがあります。
タイトルはミュータントベイビーです。