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中学校につき、教室の2−3に入るとみんながいた。
幼い姿でだ。
そのとき一人が近づいてきた。
「よう岳!」
岳は少し小さな声でいった。
「よ、よう・・・」
相手は特徴ある肌の黒さ、そして何より髪型がおかしい。
そう寺木学である。
どうやら同じクラスらしい。
まあ昔の記憶と何一つ変わらないが。
「どうしたあ?元気ねえなぁ。まあもともとか」
カチンときた。
「うっせえよ」
「へいへい」
その返事もムカついた。
がおさえた。
ここでキレると先生や何やらがきて面倒くさい。
特に数学科の先生の赤間秀樹は要注意だった。
俺の記憶によれば、だ。
やはり、タイムスリップしたんだなあ、と岳は改め
実感した。
「はい席座れー」
そこに先生が入ってきた。
がらりとドアを開け、がらりとドアを閉めた。
みんな一斉に席に座った。
「うっそ最悪」
小声が聞こえてきた。
岳自身も最悪だと思っていた。
そうあの数学科の赤間先生だった。
あの地獄の。あの恐ろしい。あのどなり声のすごい。
あの赤間先生だった。
「はあ・・・」
わかってはいたが少し落ち込んだ。
それぐらいに恐ろしい先生なのだ。この人は。
どんなに赤間のどなり声を聞いてもなれるものはないだろう。
その先生のいろいろな話を聞いて1時限目は終わった。
宿題の提出や今後の予定などいろいろ頭が痛くなるほど教えてくれた。
ほとんど頭に入っていないというのに。
赤間先生は予測だがきっとA型だろう。
そう考えている時に学が手まねきをして話しかけてきた。
「ちょっと」
いつもなら聞こえてないふりをするのだが今回は違った。
真剣な顔をしている。
岳はそっちに向かった。
「何?」
「ここじゃ話しづらい。体育館の裏あたりまで行こう」
岳は言うとおりにした。
体育館裏に着いた。
「で何?」
今度は聞けそうだ。
とその前に岳は付け足した。
「なるべくてっとり早く」
どんなに真剣でも相手はあのMなのだ。
岳は呼ばれた時から少し嫌だったのだ。
学は口を開いた。
「あの実は―――」
岳は驚きの現実を知った。




