六話 謎の少女?の正体と、階段の先にあったもの 前編
ハルは謎の少女?と森で出会い、導かれるように今の場所に連れてこられ、大樹に続く階段を淡々と上っていた。
「さて、この先にはいったい何があるのか、そして、この子がなぜ私をここに連れてきたのか……知りたいところですけど、なんとなく、理由はなく、ただ連れてきたかった気がするのですが、まあ、あんまり深くは考えないでおきましょう」
ハルを連れてきた少女?は相変わらずハルの頭の上に座っていた。
「それにしても、ずいぶんと長い階段ですね。急に目の前に出てきたときはびっくりしましたが、よく考えれば、急に階段が出てくること自体がおかしいですよね…… 異世界で発達した技術があるかもしれませんね…… それに言葉も覚えないとコミニケションが取れないですから、どこかで教えてもらわないといけませんね。」
ハルは階段をのぼりながら、つぶやくようにそう言った。
「そういえば、天照がくれた紙をまだ確認していませんでした…… まだ階段は続くようですし、先に確認しますか。」
ハルは天照が異世界に行く前にくれた紙の存在を思い出し、いったん立ち止まって、服から取り出した。
そして、広げてみてみると、紙にはこう書いてあった。
「えっと、異世界でするべきこと?」
紙の最初にはそう書いてあり、箇条書きでいくつかハルに向けて、メッセージが書いてあった。
・異世界の言語を理解すること。
異世界なので、言葉が通じないことがあります。どうにか本を扱っている場所を見つけるなりして、言語を理解してください。言語を理解するとしないでは仕事の幅が違いますから。
・言語を理解したら、式神を使役しましょう。
私の天照ノ涙に少しですが、力を籠めさせていただきました。そのぐらいの力であればハルさんも問題なく扱えると思います。なのでその力を使って、ハルさんの式神を使役してください。
式神の使役の仕方は以下の通りです。
1、犬や猫などの動物と仲良くなります。
2、仲良くなった動物とコミニケションを取ります。
3、式神になる契約をもらえたら、ハルさんの力を式神になってくれる子に渡します。ちなみに、力の渡し方は血の受け渡しです。指を少し噛んで、血を一滴その子に飲ませてあげて下さい。あと、恥ずかしさに負けないでください…… 血を飲ませてしばらくすると、首あたりに小さなマークが出現すると思います。それが、式神の証です。 これで契約は完了です。
・式神を使役することができたら、信仰を集めましょう。
信仰を集める方法は様々です。ハルさんが居た世界のように自分の社を作り、人々に認知してもらい、信仰を得る手段、ハルさんが自ら世界を回り、困っている人の手助けをして信仰を得る手段。これらの方法があります。
ちなみに、私の場合はですけど、ハルさんの世界を任される前は、自ら信仰を集め、私という神様の存在を認知してもらってから社を立てました。社を立てた理由も、私の巫女になりたいという存在がいたからです。巫女というのは簡単に言えば私の代役です。私が外に信仰を集めに行っているときに、巫女は神の代役として社で困っている人の話を聞いたり、手助けをすることで、信仰を集める手助けをしてくれるのです。
もし、巫女になりたいという人が居たら、その人に任せてみるというのも一つの手です。
・信仰を集めるのと同時に武器の扱いに慣れておきましょう。
信仰を集めていると、どうしても危険な目にあってしまう時があります。実際、私も経験しました。なので渡した武器はきちんと扱えるようにしておいてください。ハルさんの場合、私の時よりもずっと危険な状態です。なので自分で自分の体は守れるようになっておいて損はありません。
私が渡した神器は主の思考によって、さまざまな姿に形を変えることができます。私は弓として使ってますが剣や槍、鎌や鎖にだってできます。なので自分が使いやすい形を見つけてください。
・神を産んでください
これ、文字にするととても恥ずかしいですね/// えっと、先に説明しておきますと、琥珀ちゃんのような、神の状態で生まれることは滅多にありません。本来は動物などの姿で生まれることはハルさんにも説明したと思いますが、それは生まれた直後だと神の力に体が耐えられないからです。なので、琥珀ちゃんの時は、異常といっても過言ではありません。それに、琥珀ちゃんを産んだ時のハルさんの状態は何か異常があったのか、ハルさんの体質なのかわかりません、なので神を産むときは気を付けてください。
ですが、運命というのは決まっているもので、ハルさんが何もしてなくても、ハルさんのもとに生まれたいと思った神が出てくると思います。その時は、できるのであれば拒絶ではなく、やさしくその子の存在を受け入れてあげてください。琥珀ちゃんの時のように。
長くなりましたが私からは以上です。大変だとは思いますが、無理せずに頑張ってください。
天照より。
「とっても詳しく書いてありますね。ありがたいことです。さて、まずは天照も言っているように言葉を教えてもらえる人や覚えることのできる場所を探しましょうか、まずそれには、目の前のことから済ませていきましょう。」
ハルは天照からの手紙をきれいに折ると、服の中に入れ、再び進み始めた。
そしてしばらく上り続け、ようやくハルは階段の最終地点、大樹の根元についたのであった。
今回の話ですが、本来ならば、一話で完結させようと思っていたのですが、全部まとめて書くととても長くなりそうだったので分けさせてもらいました。ご了承ください。
次回はこの話の続きを上げさせてもらいます。
次回も読んでいってもらえると嬉しいです。
それと、話は変わりますが、pt評価ありがとうございます。
今現在で見ると70過ぎのpt評価がありました。
日刊とかで見る、何千や何万のptからすると、些細なものですが、
自分からすると、とてもありがたいものだと思っています。
この度は本当にありがとうございます。いつかはランキングに乗れるような文章が書けれればいいなとは思いますが、この度はptをもらえたことが本当にうれしかったので感謝の気持ちをここに記しておきます。
さて、長くなりましたが作者の蒲公英からでした。