プロローグ・時の反逆者
四章開始です。
別名レガクロス紹介編みたいな内容の予定。
途中までしか執筆終わってないので毎日更新しますが途中で止まります。
◆ゲシュタルトシティ。ドーム型多目的試験場
ゲルドアルド達の目の前でドーム天井が爆発したその時、何もかもが停止した。
空も海も大地に至るまで、そこで暮らすなにもかもが、一枚の静止画のようにその動きを停止させている。
これこそレガリアに次ぐアイゼルフ王国の六つの秘宝、レガクロスロードが一機。自在に空間の時を止め、物体の時間を加速するクロックロードの力である。
実はこの時間が停止した空間で動ける存在がアニメートアドベンチャーの中に少ないがそれなりに居る。
ディセニアンが時間操作系の魔法スキルを手にしていないだけで、スキルを持つ稀少なダイアレスやモンスターは今も普通に動いていおり、時間操作が出来なくても時間停止に対抗できる耐性スキルや耐性が得られるアイテムはディセニアンでも所持していたりする。
停止した時間の中では対象にダメージを与えることが出来ない。なぜなら時間が停止しているからである。時間が停止しているので浅い傷一つつけることが出来ないし、その場から動かすことも不可能。MPも時間と共に停止しているためどんなスキルも発動せず。時間を止めている本人も、空気が停止しいるため呼吸等が出来ない上にとんでもなく燃費も悪い。
故にディセニアン達は時間停止の使い勝手の悪さを知るや、早々に取得を諦め、時間停止スキルを持つ一部のレアモンスター戦う時用に耐性アイテムを入手するだけで満足する。
ダイアレスは長き研鑽の果てにその力を手にいれても録に使わぬまま寿命で死んでいく。
何とも扱い辛い力であるがクロックロードの時間停止能力は違う。
ティータは頑丈なサンダーフォーリナーの装甲に穴を開けて侵入する。ゲルドアルドの頭部を抉り取り蜂蜜を堪能する。という破壊行為を時間停止中に行っている。
停止した時間の中で、対象に一方的に干渉できるのが微妙扱いされる時間停止能力の中でもクロックロードが別格扱いされる理由である。
「〈レセプタービルド〉」
ティータのスキルを宣言。レガクロスロードを宿せるアイゼルフ王族の専用ジョブ【ロードレセプター】のスキルが発動。ティータの背後に眩い黄金の輝きが生まれ、そこから六対の美しい黄金の翼が出現する。それはゲルドアルドの〈ギラギラゴールド〉は違う見るものに趣味の悪さではなく、魅了する神秘的な美しさを輝かせる黄金。
光から伸びる黄金の翼は、流線型の部品が組み合わさり翼を形成しており、先へ行くほど木の枝のように複雑に枝分かれしている。翼の周囲には細かな立体パズルめいた物が、翼から抜け落ちた羽のように枚散り重力に逆らいティータの周囲を漂う。
ティータの幼くも可憐で美しい容姿も合わさり、黄金の翼を背負ったその姿は天から舞い降りた天使のようだ。
やがて翼はパズルめいた部品とティータを包むように前方内側に折り畳まれていく。流線形の翼のパーツがカチリカチリと嵌まって組合わさり、翼はやがて巨大な人型へと変貌した。
翼が形を変えて現れたティータの容姿とは駆け離れた、荘厳で重厚な装甲を纏う黄金の巨人。取り分けて盛り上がった肩と胸部装甲は見るからに堅牢。
優雅に揺らめく銀を主体にした金の装飾で彩る金属糸で編み込まれたマントを背後でなびかせ、同じ配色の飾り布で全身飾っている。
左腕には中央の持ち手部分で大きく括れる砂時計を思い起こさせる円柱。刃で囲われ、上下に打撃部を備えた地面につくほどの巨大なダブルメイスを持ちそれが床に置かれる。重量だけで床が軋み陥没する。
ルビーのように紅い両目に力強い光が輝やき、クロックロードが上空で蠢く、人型の背中から翼と尻尾を生やした三機の黒いレガクロスを睨む。
「むぅ、停止した時間の中で動くか……」
蠢いていた。クロックロードの力で確かに停止している時間の中を三機の黒いレガクロスが。
「これでは時間を止めて逃げるというのも難しいのじゃ」
見えないロープでがんじがらめにでされたかのように、ジタバタと空中で蠢いていた黒いレガクロスは、なんとティータの目の前で時間停止という拘束を引きちぎり、急速に降下し始めた。
このままでは停止したゲルドアルド達の目の前に辿り着いてしまう。
仕方なくティータは時間停止を解除した。
「背中の翼と尻尾はジャベリンじゃが、身体はバルディッシュⅣじゃな……」
見覚えがある黒いレガクロス。しかしその見た目は最近見たジャベリンとバルディッシュⅣ、両方の特徴を備えていた。
鏡のように周囲の景色を反射する銀色のアイゼルフ王国軍機。鮮やかなオレンジのゲシュタルト機。両者でも他の色は使われるが、黒色のバルディッシュⅣは見た覚えがない。ジャベリンのような翼と尻尾を備えているカスタム機もティータは知らない。
黒いバルディッシュは洗練され、ゴルドアサイラムの過度に密度が高い彫刻とは違う、適度に緻密で豪奢な浮き彫りがされた美しい胴体の装甲から醜い生物のような管を幾つも生やし、それが背中からデザインの違う装甲がバルディッシュの胴体を挟み込むように後付けされた、翼と尾を備える背部パーツに繋がっている。
まるでジャベリンが背中から噛みつき、機体に寄生しているようにそれは見えた。
ジャベリンに時間停止の耐性があるというのもティータは初耳であるが、他のレガクロスに寄生するという機能も知らない。
見たところ耐性があるだけで時間停止中に物体を破壊できるようには見えないが、時間停止したままではティータは孤立することになってしまう。
それ事態はどうとでもなるが、どう見てもグナロークの手勢だ。
ギガルスから極力関わるなと言われているので毛玉キメラとギラギラゴールドカラースライムを回収して逃げるつもりだったが、耐性があってはそうも行かない。クロックロードはジャベリンやバルディッシュをあらゆる点でその性能を凌駕しているが、ただ一つ、単純な飛行速度だけはジャベリンの方が優れていた。
時間停止中にも動いていたため、黒いレガクロスが瞬間移動したかのように目前まで迫るゲルドアルド達が驚いているのを尻目に、どうやってやり過ごそうかとティータはクロックロードの中で思考を廻らせるが良い考えは浮かばない。
とりあえずティータはクロックロードの力で時を遡ることにした。
時間を停止し、黒いレガクロス達が時間停止中も動けるという予想外の能力を持っていたため、レディパールとハニービー達がドーム天井を突き破った黒いレガクロス達に放った攻撃が外れてしまったのだ。
ティータには邪魔する意図はなかったが、結果的には敵に助力してしまったので彼女は不愉快な気分である。
『御迎えに上がりましたよ、我らと共に来ていただきたい未来の王h』
クロックロードの力でも世界の全てを巻き戻すことは出来ない。ティータに出来るのは今の記憶を保持しながら現在のクロックロードから過去のクロックロードへと飛ぶことである。
ティータは拡声器で何かを伝えようとした黒いレガクロス達を無視してドーム天井が破られる瞬間にクロックロードで飛んだ。
即座に時間停止を解除するとニトロハニービーの達のニトロワックスミサイルがドーム天井を突き破ってきた黒いレガクロス達に一斉に突き刺さり、黒いレガクロス達は爆発に飲み込まれた。
バラバラと砕けた破片が飛び散るのを見届けたティータは満足気に頷き、毛玉キメラとギラギラゴールドカラースライムを回収した。
明日の12時更新予定です。
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