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ゲルドアルド─蜂の巣の魔人と機械の巨人─  作者: 産土
決戦兵器編

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23/115

寝れない蜂の巣

章の名前を変更するかもしれません。



 ◆アニメートアドベンチャー。ゲシュタルトのギルドホーム。


 放棄されていた城塞都市一つを改造して作られた、ゲシュタルトのギルドホームは、様々な用途のこの大陸でも最先端の機械に囲まれている。


 そんなギルドホームとは不釣り合いに植物に囲まれた一角が存在していた。


 ゲシュタルトの三人のサブマスターの一人、蜂の巣魔人ゲルドアルドの私有地である。


 ゲルドアルドの配下、大小様々な大蜜蜂(ハニービー)種が棲む巨大な巣の周辺は、熱を操る灼蜜蜂(レッドハニービー)達によって気温調整されており、一年中ゲルドアルドのスキルで植えられた蜜や花粉採取用の花や果実を実らせる植物で溢れている。

 人の頭部サイズ、指先サイズの大きさの黄色、赤色、真珠色のモフモフとした体毛の大蜜蜂(ハニービー)が飛び交う、花と緑に囲まれたこの場所は、無機質な機械に囲まれるギルドの中では異質であり、機械的な生体部品を有する動植物が自生するアイゼルフ全体から見ても断トツでメルヘンに溢れた場所だ。


 大蜜蜂(ハニービー)達によって徹底的に管理されたこの場所は彼女達以外の虫は存在せず。公園として整備されている場所も存在するここは、事務や掃除夫として働く住人や所属するプレイヤーにとって憩いの場になっている。

 日は高く、調度昼時。巨大な蜂の巣の周りでは住人やプレイヤー達が集まり食事や談笑している。


 そんな長閑な風景とは裏腹に、蜂の巣の奥深くで死に怯える者が一人いた。

 今だ復活すると確信出来ず、プレイヤーの中でただ一人、ゲームの中での死が現実の死に直結すると信じて、死に怯えるゲルドアルドだった。


 暫定異世界で作成した一国に匹敵する規模の巨大な蜂の巣と、所有権のある巣に貯蔵されている蜂蜜の量でMP量が上昇するスキル<蜂蜜タンク>の相乗効果で獲得した、有り余るMPで蜂の巣や大蜜蜂(ハニービー)を何十倍も過剰にMPを使用した状態でスキルを発動して効果を高めた、強化スキルで強化して己を守らせていた。


 ただジョブを五つ積んだ程度のカンストプレイヤーならば、数千人の規模で襲われても返り討ちにできる。そんな異常な警戒体制が長閑な景色の裏側では行われている。


 死ねばそれで終わりだと確信出来た暫定異世界よりも酷い警戒体制が敷かれているのにはわけがあった。


 ゲルドアルドが寝れなかったのである。


 ここはゲーム、アニメートアドベンチャーの世界。


 この世界で作成された蜂の巣の魔人の身体は、この世界で死んでも普通にゲームをプレイしていた時と同様に復活するという確信があった。確信があってもそれを信じることが出来ないゲルドアルドは最大のプレイヤーズギルドであるゲシュタルトが一度もプレイヤーに襲われた事が無くても、襲うという命知らずなプレイヤー存在しなくても心配で眠れなかった。

 同格のプレイヤーが溢れるこの世界で無防備に寝るという行為は、臆病な彼には非常に難しい。

 暫定異世界という外部ツールで強化されたゲルドアルドは巣の中であればレイドボス以上の莫大なHPやMPとCPを保有出来る。


 しかし、それは巣の中であればの話だ。


 暫定異世界にある巣を破壊することはアニメートアドベンチャーのプレイヤーには不可能だが、ここにある巣ならば破壊することは難しくない。巣を破壊できなくても巣を繋ぐ特殊なオブジェクトの【ハニークリスタルポータル】を破壊されれば各巣とのリンクが途切れ、この巣の分の強化効果しか得られなくなる。隠蔽等のスキルに特化した者であれば巣に侵入してゲルドアルドを巣から引きはがしたり、ハニークリスタルポータルを密かに破壊することも可能だ。


 何という修羅の世界だろうとゲルドアルドは思う。


 彼は恐ろしくて夜も眠れない。


 故にゲルドアルドは保有するMPの四分の一……火に変換すれば地上に小さな太陽が生まれる莫大な量のMP消費して、強化できる物を片っ端から強化して維持することで何とか眠りに着くことが出来ていた。

 日が高く上ってもゲルドアルドが自室で眠っているのはそのような鉄壁な守りを敷いていても中々寝付けないためだ。


 レガクロス並の巨体を持つ女王爆蜜蜂クイーンニトロハニービーのレディパールが、広々と過ごせる広いゲルドアルドの自室。柔らかく美しい真珠色に体毛に包まれた脚を丸めて俯せで休んでいたレディパールが突然首を持ち上げる。脚だけではなく全身が柔らかい真珠色の毛で覆われているレディパールの胸元の体毛がモゾモゾと動く。

 モゾモゾと柔らかく豊かな真珠色の胸毛を掻き分けて現れたのは丸みを帯びた金色の物体だった。レディパールでも乗れる程大きく、柔らかい自作のベッドと、レディパール間に挟まれて寝ていたゲルドアルドが現れる。


(おはよう、レディパール)


(起床。喜。朝。否定。昼。)


 俯せの状態だったギラギラとした趣味の悪い金色の頭部がギュリ!と木と木を擦り合わせた音を鳴らし、頭部だけが仰向けの状態になったゲルドアルドがレディパールに挨拶をする。

 愛する主が起きたことへの喜びと、朝ではないことを律儀に不可視の繋がりと交信フェロモンで返答するレディパールとの何気ないやり取りに癒しを感じたゲルドアルドはギュリ!と音を鳴らして頭部を元の向きに戻した。

 ベッドとレディパールの間に挟まれた巨大な両腕を出してゲルドアルドは這い出そうとするが、上からレディパールに前脚で押さえ付けられてしまう。


「え、何事?」と思ったゲルドアルドは、後頭部を舌で舐められている感覚を感じた彼はレディパールの行動の理由を察した。寝てる間は自然と引っ込むベールか長髪のように流れる普段は後頭部の後ろから流れ出て漂う至高の蜂蜜を後頭部後ろから流出させた。


 十分後、後頭部を思う存分レディパールに蜂蜜と共に舐められたゲルドアルドはやっとレディパールの胸毛とベッドの間から脱出した。しかし今度は素早く寄ってきた大蜜蜂(ハニービー)達に取り囲まれてしまう。


 スキル<ギラギラゴールド>取得して以来、何故か彼女達はゲルドアルドを磨くことに嵌まっている。磨けば磨くほど輝きが増していくゲルドアルドの趣味の悪い金色に変色した身体が面白いのか、大蜜蜂(ハニービー)が全身に纏わり付き赤や黄色の毛玉の状態で磨き上げ、彼女達は前脚や顎の分泌線から滲む蜂蝋を薄く塗布して表面を仕上げていく。


 毛玉の隙間から見えるゲルドアルドの身体は目に痛いほど輝いている。


 大蜜蜂(ハニービー)達に丹念に磨き上げられたゲルドアルドは自室からハニークリスタルポータルが存在する部屋へと移動する。現在この部屋ではある実験が行われていた。

 暫定異世界にある蜂の巣と、ここアニメートアドベンチャーの巣との転移実験である。


 転移ができる転移系魔法スキルは使用者のスキル構成や技量等によって転移に失敗する事がある。失敗には色々あり、ただ不発に終わるMPを無駄に消費するだけの被害が軽いものから、何処でもない異空間に飛んで消滅するといった即死するような被害の大きな物まで様々だ。


 ゲルドアルドが取得しているジョブ【蜂巣要塞】由来の、彼に支配権がある蜂の巣から別の巣へと飛ぶ転移スキルは、同じくジョブ【蜂巣要塞】由来の別のスキルで作成された、座標を固定するためハニークリスタルポータルという目印があるため失敗は無い。

 用途が限定される為、妨害も干渉も難しいスキルなのだが、謎の暫定異世界から、地球のサーバー上にあるゲーム世界のアニメートアドベンチャーに、その条件で飛べるかと考えると不明としか答えられない。


 ゲルドアルドは、ダークネスホーリーマスターから逃げたい一心でなんの実験もせずに転移してしまったが、改めて考えると無用心で危険窮まりない行為だ。

 実際、実験で大蜜送蜂(ハニーポーター)に蜂蜜を暫定異世界の巣と転移でやり取りしてもらった所、十回に一回の頻度で蜂蜜が何処かに消滅するという恐ろしい実験結果を得た。

 それを知った時、ゲルドアルドは恐怖のあまり全身の間接や穴から蜂蜜を吹き出して失神してしまった。蜂の巣の魔人になって失った排尿現象の代わりだったのかもしれない。


 床に流出した蜂蜜は、近くに居た大蜜蜂(ハニービー)達が美味しく舐め尽くされた。


 暫定異世界で作成したこちらでは、とても無理な規模の巨大蜂の巣という外部ツールで、莫大な数字のHP、MP、CPというエネルギー資源を獲得して利用している現在。「どう考えてもチートだなぁ」と思いつつダークネスホーリーマスターは怖いが、今更手放すは惜しいと思っていたゲルドアルドには凶報だ。


 向こうにもう一度飛ぶには恐ろしく、ここより規模は大きいが、ゲルドアルドが巣に居ない状態ではデカいだけの大蜜蜂(ハニービー)の巣だ。クイーンタイプも存在しないので向こうでは大蜜蜂(ハニービー)の数も増やせない。ダークネスホーリーマスターの能力が過大評価じゃなければ簡単に攻め滅ぼされてしまうだろう。


 諦めるしかないかと思われたが、悩んでいる間も大蜜蜂(ハニービー)に中止命令をしなかったので続いていた転移実験から今度は吉報を得た。


 実験を始めた当初は十回に一回だった転移失敗による蜂蜜の消滅が十五回に一回に変わっていた。初めは誤差だと思っていたが転移失敗確率はどんどん下がり、初心者狩りをしていたジャベリンを撃退した日から一週間続けていた実験は、今では連続で一万回で蜂蜜の連続転移に成功している。

 理由は不明だが、使えば使うほど暫定異世界への転移は容易になっているようだ。獣道ような物だろうか?とゲルドアルドは考えた。使えば使うほど地面が踏み固めれて草も生えなくなり道になる。獣道のように。


 念のために蜂蜜だけではなくゲルドアルドよりも大きい灼蜜衛蜂レッドハニービーガーディアン等でも転移実験を繰り返している。今確認したところ、千回以上繰り返しても灼蜜衛蜂レッドハニービーガーディアンは消滅していない。


 実際にゲルドアルドが飛ぶには、恐くてまだ実行できないが、近いうちにこちらで女王大蜜蜂(クイーンハニービー)を育てて向こうに送ろうと考えている。群れを支援するスキルが豊富で、新しい大蜜蜂(ハニービー)をスキルで作成できる女王型が入れば巣の防衛力が高まる。


 同じく自室の近くに存在するある場所へと向かう。何故か後ろからついて来ているレディパールが突然不機嫌を表す交信フェロモンが漏れてきた。


 困惑したゲルドアルドが前進しながら頭部だけをギュリっとを真後ろに向け、理由をレディパールに問い掛けてみたが返事が帰ってこない。ゾクゾク何やら背筋を奮わせる悪寒だけを感じながら頭部を元の位置に戻したゲルドアルドレディパールが気まずい空気が流れる。


 暫くして一人一匹は、目的の場所にたどり着く。


 道が開け、巨大なドーム状の天井を備えた巨大な円柱状に部屋が見えた。その部屋の真ん中には、通常のレガクロス一機が丸々納まる巨大なハニカムのケースが部屋の中央で口を開け、それが大小様々なハニカムのケースに囲まれて一定の法則で模様描いて並んでいる。

 ハニカムが描く模様はファンタジーの魔方陣を思わせた。もっともアニメートアドベンチャーの魔法出現エフェクトは光の粒子が集まり、そこから魔法効果が飛び出すという物で統一されているので魔方陣というものは存在しないが。


 この部屋は大蜜蜂(ハニービー)というモンスターが、クイーンタイプの大蜜蜂(ハニービー)を産み出すための女王型専用の養蜂部屋だ。一定の法則で大小様々なハニカム構造が並ぶこの場所はハニービーの本能に刻まれた女王型を産み出すためのハニカム魔法装置。

 蜂の巣や蜂蜜であっても蜂ではないゲルドアルドには、サッパリわからないが、この一個一個のハニカムの大きさや位置には大蜜蜂(ハニービー)達にはとても大事な意味が有るらしい。


「<蜂蜜作成>……いや、まって?さっきまでこの部屋に一匹も居なかったよね?待って待って!君達に用意した蜂蜜じゃないから!?」


 スキルを宣言。CP消費してスキルが発動すると光の粒子がゲルドアルドとレディパールの目の前で一点に集まりそして光が弾け。豊潤な甘い香りを周囲に振り撒きながら、巨大な部屋が狭く感じるほど至高の蜂蜜の巨大な球体が出現する……と同時に濃厚な至高の蜂蜜の匂いを嗅ぎ付けた大蜜蜂(ハニービー)達が殺到してきた。

 至高の蜂蜜は普段からゲルドアルドの後頭部からベールか長髪のように背中に流され漂っているが、これを気軽に口に出来るのはレディパールくらいであり。決まった日にしか味わえない他の大蜜蜂(ハニービー)達が突然の御馳走の出現に非番の彼女達集まって色めき立っている。


 カチカチカチと威嚇とは違い、至高の蜂蜜を求める軽く感覚の短い顎を打ち合わせる大蜜蜂(ハニービー)達の大合唱を無視して、至高の蜂蜜を魔法スキルで操りゲルドアルドは作業を続ける。

 地面に埋まった種が、枝や根を伸ばすように球体表面から細長く、無数に伸ばされた蜂蜜が大小様々なハニカムの器に自らその身を充填されていく。表面上に見えているハニカムの器よりも明らかに多い量が注がれていくが、器は中々一杯にならない。ハニカム魔法装置はこの下にも表面と似た模様が大小のハニカムの器で構成されているためだ。


 至高の蜂蜜で充たされたハニカム魔法装置が淡く光り始める。


 蜂蜜を注ぎ終わったゲルドアルドはスキル<モンスター作成>で大蜜蜂(ハニービー)の卵を二つ作成。たまたま目についた大蜜働蜂(ハニービーワーカー)に至高の蜂蜜を与えて部屋の中央、通常のレガクロスがすっぽり納まるハニカムの器に卵を運ぶように指示した。

 指名され、至高の蜂蜜を与えられた大蜜働蜂は黄色の体毛包まれた全身に他の大蜜蜂(ハニービー)の嫉妬の交信フェロモンを大量に浴びながら飛んで行き、ギリギリまで蜂蜜で充たされたハニカムの器の口ギリギリを飛び、静かに卵を蜂蜜の中に落とした。


 これで数時間後には女王大蜜蜂に成長できる幼虫が生まれる。


「レディパールはここを守るガーディアンと世話するワーカーを選んどい……えーっとあのー何やら御機嫌がよろしくないようですが、さっきからどうしたのレディバァァァァァァ!?」


 突然レディパールがゲルドアルドの頭部を顎で挟み振り回しはじめた。彼の間接は蜂の巣の身体を充たすうごめく至高の蜂蜜で繋がっている。油断しているときに強い力が加わると簡単に外れてしまうのだ。


(不満。不服。嫉妬。)


 頭部だけになったゲルドアルドがぐるんぐるん回されているため、不安定な動きをする残された身体がレディパールを止めようと必死に彼女の柔らかく豊かな真珠色の体毛にしがみつく。レガクロス匹敵する巨体を持つ彼女の方が、身体能力は勝っているため無駄な抵抗だった。


(不満。不服。嫉妬。)


「おわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 三十分ほど女王型専用養蜂部屋ではレディパールの交信フェロモンと振り回されるゲルドアルドの悲鳴が撒き散らされ、飛び散った至高の蜂蜜を舐めとる大蜜蜂(ハニービー)達の歓喜の交信フェロモンが乱れ飛んだ。




 ◆




(なるほど、自分以外のクイーンを作成するボクに不満を、そして新たなクイーンに嫉妬していたのかレディパールは……)


 レディパールの御機嫌を取るためにタワーシールドのような巨大ブラシで一生懸命、レディパールの柔らかく美しい真珠色の体毛を一時間かけて丁寧にブラッシングしていたゲルドアルド。その甲斐あって機嫌が直ったレディパールから、不機嫌な理由を彼は聞き出すことに成功していた。


(可愛い娘だねぇ)とゲルドアルドしみじみと思う。ブラッシング後のトリートメントに気合いが入る。


 彼がゲームを始めるときに選んだファーストジョブ【錬金術士】それは魔人族の種族特製で生成されたオンリージョブ達の影響で【超蜂錬金術士】という蜂由来の素材を使ったアイテム作成に特化したオンリージョブにクラスアップした。その名とフレーバーテキストに恥じないジョブのスキルをフル活用して作成した至高の蜂蜜を惜し気もなく使った特製整髪料が唸る。

 蜂蜜以外の素材も、種をばらまく事に特化したジョブ【超弩級果実砲】花粉をばらまく事に特化したジョブ【重花粉誘導弾】で生やした植物由来の素材を、ハニービーに世話と収穫を任せることで微量ながら【超蜂錬金術士】の補正を受けている。


「おぉ……」


 普段使っている整髪料に更にきめ細やかに砕いた、スキル<ギラギラゴールド>で着色した蜂蜜結晶を混ぜた物を使ったトリートメントでの仕上げたレディパールの体毛は想像以上だった。

 自ら発光するほど自己主張の激しい<ギラギラゴールド>の光は、細かい粒子状で使う事でギラギラとした厭らしさは無くなった。

 随分と大人しくなった輝きが、真珠色のレディパールの体毛を星の瞬きと燐光を纏わせている。


「美しい……」


 感嘆をからゲルドアルドの檸檬型結晶の目が強く発光しレディパールを照らす。


(美。惚。自。照。素敵。)


 レディパールも自分の体毛の驚きの仕上がりと美しさに思わず見惚れ、そしてゲルドアルドの思わず漏れ出た言葉を聴き、思わず前脚で顔隠した。


 暫くそのままだった二人は惚けたように押し黙り、我に返った後何やらよそよそしい態度でそっと寄り添った。

次回更新は、明日の昼の12時の予定です。


お読みいただき、ありがとうございました。


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