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さぼたーじゅ

体温計の値は363度を指してゐる。


ほう と吐く息が舌を伝い燃え上がる。


燃える 我は心臓から溶岩を押し流し隅々まで血が沸き皮膚がべとつく間もなく溶けて霧散した。


ここに在るのは焔。考えは火花の飛び散り。


嗤い声はフレア。熱波。凝固し爆散する肢体。


我の存在は波動。宇宙よりの衝動。


我は熱なり。


小学生男子の学舎への行きたくなさは我が身を363度と偽る程で在るらしい。


そんなに熱いのならば、もう抱き上げては遣られぬよ、と謂うと


大宇宙に膨れ上がりし強大なるフレアが、ひゆるひゆるひらはら、ろ、と空気の抜けたよに萎みゆく。


只の、唯一の、とびきりの男の子となって


嘘だようるるる


と、喉を鳴らして歓んだ。


令和の有る日のこと。


めでたし、めでたあうしい。


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