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守護らねばならぬ……


「ええとですね……とりあえず誘拐は無しの方向で」


 ミアちゃんの出した案は残念ながら私の一存でお蔵入りにさせてもらいました。



「え~……」


「『え~……』じゃありませんて」


 確かに効率的といえばこの上ないのですが、ガチの犯罪は流石に抵抗があります。もしも犯人が私達だとバレてしまったら二度とこの街を歩けなくなりますし。

 いえ、私に関しては日本まで逃亡してそのままこっちの世界に来なければ捕まりはしないでしょうけど、元々こっちの住人であるミアちゃんはタダでは済まないでしょう。それは友人として看過できません。



「リコちゃん、わたしの為に……? 嬉しい……!」


「あの、ここは感動するところじゃないですからね?」



 なんでしょうね?

 基本的には頭の良い子だと思うんですが、時々盲目的になりすぎるというか、持ち前の純粋さゆえに闇にも染まりやすいというか……いえ、この問題に関してはあまり触れないほうが良さそうです。ロクなことにならない予感がします。



 話が逸れてしまいましたが、本題に戻りましょう。

 神様からのオーダーの達成条件は二つ。


 一つは、十日後の零時までポチ子さんが五体満足な状態である事。

 もう一つは、彼女が無事に自分の国まで戻る事。


 違いが分かりにくいですが、後者に関しては時間の縛りはありません。

 なので、ポチ子さんを誘拐犯より先に攫って国境の向こうまで運んでしまうというのは、ある意味ではこれ以上なく効率的なのです。本当にいざとなったら、後の事はどうにでもなる異世界人の私が一人で泥を被って、この案を実行することも視野に入れておくべきかもしれません。まあ、これは本当にヤバい時の最終手段ですね。


 基本的には前者の条件、十日後まで守りきってタイムオーバーを狙う方針で進めたほうが良さそうです。

 十一日目以降にポチ子さんに危険が及ばないかが心配ですが、あえて神様が日数を十日と区切ったということは、彼女が命の危険に晒される可能性があるのが、その期間内だけということなのでしょう。あの神様、ただの脳筋に見えて意外に多芸なので未来予知くらいできても不思議じゃないですし。



『うむ、出来る。筋トレしてたら出来るようになった』


「……心の中の独り言に返信しなくていいですから」



 頭の中で思った疑問には例の聖痕ですぐに回答が来ました。

 未来予知とか読心術って筋トレしたら習得できるんでしょうか……いえ、多分あの神様だけですね。



 というか、そもそもですね……、



「神様が自分で面倒事を片付ければ良いのでは?」



 これだけ隔絶した存在ならば、犯人がどれだけ強くて狡猾でも、陰謀を潰すくらいは簡単でしょう。罰当たりかもしれませんが、自分で片を付ければ良いのでは……なんて考えてしまいます。わざわざ私に押し付ける意味なんてあるんでしょうかね?



『トレーニング以外に時間を割くのが勿体ないからな』



 半ば予想していたとはいえ、いくらなんでもコレはないでしょう。

 私も他人様(他神様?)にとやかく言えるような立場ではありませんが、もうちょっと責任感という言葉について考えるべきではないかと……、



『……というのは冗談だ。マッスルジョーク』



 おい、こらジジイ。



『本当は、我が力を振るうと余波で世界が滅びかねん。無辜の民まで巻き込むのは本意ではない』


「おお、意外とマトモな理由ですね」



 詳しくはありませんが、ノアの箱舟の大洪水とかソドムとゴモラの話とかみたいに、神様が本気で動くとスケール感が違いすぎてオーバーキル気味になってしまうのでしょう。物理的に世界を支えてる神様ならば、本体は凄まじい大きさでしょうし。



 まあ、前置きがやたら長くなりましたが、結局やるしかないのです。

 守るならばなるべく近くにいたほうが都合が良いでしょうし、朝食を頂いたら早速ポチ子さんの居場所を調べて会いに行くとしますか。


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