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お昼休憩


「ふぁ……あ、おはよ~」


「おや、起きましたか。具合はどうです?」


「うん、もう大丈夫」


 不幸な事故により私以外の三人がダウンしてしまったので、一端魔道車を止めて休憩をとっていたのですがミアちゃんも無事に回復したようです。


 他の二人、ロビンさんはともかくジャックさんは年が年ですからそのままポックリ逝ってしまわないかと少しだけ不安でしたが、二人ともミアちゃんよりも先に復活して、現在はカトリーヌから絞ったばかりの牛乳をガブ飲みしています。


 加熱殺菌とかしなくていいのかと少々不安でしたが、日頃からたまに絞りたてをそのまま飲みに牧場まで行っているそうなので心配はいらなさそうです。

 私も気になってカトリーヌの牛乳を飲ませてもらいましたが、たしかに濃厚で甘みもあって美味しかったですね。あまり飲みすぎてお腹を壊したら困るので一杯だけで抑えておきましたが。



「これからお昼にする予定ですが、ご飯は食べられそうですか?」


「うん、お腹の中カラッポだから何か入れておきたいかも」



 早朝に出発して今はもうお昼時です。

 実は、その半分以上の時間はこの場での休憩に費やしたのですが、私が調子に乗って飛ばしすぎたせいで、結果的には予定していたペースよりもやや多くの距離を稼ぐことができたそうです。



「そのせいでジャックさんからは、私が魔道車を曳く事を禁止されてしまいましたが」


「それは仕方ないと思うよ」



 これまでの人生で運転の経験なんて当然なかったので知りませんでしたが、もしかすると私にはスピード狂のケでもあるんでしょうか?

 よくよく思い返してみれば、さっきのスピードで急ブレーキをかけるのは難しいですし、いくら人気のない場所とはいえ誰かを轢く可能性もゼロとは言えません。危ないところでした、反省、反省。



「とはいえ、車内にいると酔ってしまうので、次からは魔道車に併走する事にしますよ」



 他の誰かが曳く魔道車の隣で走れば車酔いの心配も無用ですし、他の皆も酔わずに済むでしょう。場合によっては身軽な私が斥候として先行して、進みやすい地形の選定なんかもできるかもしれませんし。



「どのみち、ここから先はあまりスピードを出せそうにないんですけどね」


「え、なんで?」


「ほら、あっちの方向を見てください」



 現在地から北に約二キロほどの辺りから、まだまだ遠いアトラス山まで広大な森が広がっています。あそこから先はもう魔族領だそうなので警戒度を高めないといけませんし、森の中には危険な生物も多数生息しているそうです。ここから見ても、森の上空にプテラノドンみたいな生き物が飛んでいるのが見えたりします。


 念の為距離を取っているので森の怪物がここまで出てくる心配はなさそうですが、もう少し進んだらそうも言っていられません。今みたいにゆっくりと休憩できる機会はもうしばらくはなさそうです。



「なので、今のうちに英気を養っておいてください。はい、お弁当のサンドイッチです」


「あ、ありがとう、リコちゃん」



 お屋敷のメイドさんに用意してもらったサンドイッチをミアちゃんに渡します。四人分用意してもらっていて、ロビンさんとジャックさんにはすでに渡してあります。男性陣のお二人はそれだけでは足りないようで、早々に食べ終えて自前の干し肉なんかも食べ、オマケに今は牛乳を飲んでいます。

 朝ご飯は全部吐いて無駄にしてしまいましたから、せめてこれは大事に味わうとしましょう。ミアちゃんと一緒に食べようと思って私もまだ自分の分に手を付けていなかったので、紙の包みを開けてサンドイッチを取り出し「いただきます」と言ってから食事を開始しました。



 サンドイッチには定番のハムとチーズ、それにスライスしたタマネギが入っています。

 それだけならば物足りなく思いそうなものですが、ハムは一枚だけではなく薄切りにした物が何枚も重ねてあって、かなり肉々しい逸品です。パンに塗ってあるマスタードもお肉の味を引き立てています。


 チーズも日本のコンビニで売っているようなマイルドなタイプではなく、味も匂いもかなり強めの品を使っているので見た目以上にどっしりとお腹にたまりますね。チーズ系は個性が強すぎると人を選ぶのですが、私はあまり抵抗なく食べられました。


 タマネギスライスのピリッとした刺激も嬉しいですね。流石は厨房のオバチャン、相変わらずいい仕事をしてくれています。



「これを食べて、食休みをしたら出発ですよ」


「うん、頑張らないとね」



 ここから先はいつ戦闘になってもおかしくない危険地帯です。

 精々、今のうちに英気を養っておくとしましょう。




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