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探索

本日三話目。順番飛ばしにご注意をば。

明日も三話まとめて投稿します。


 突然ですが、魔法によって強化された筋力がどの程度のものなのか、その一端をご説明しましょう。


 現在私が使用している『筋力強化マスール』は魔法使いならば誰でも使える、一番初歩的な魔法だそうですが、だからといって決して弱くなどありません。


 試しに軽くヒザを曲げてから跳躍してみると、ざっと十メートル近い高さにまで達しました。

 あまりに筋肉の多い体格は、ともすれば鈍重な印象すらありますが、魔法による強化された肉体の機動は俊敏そのものです。外見相応にまで体重も増えているようなのですが、その程度の重量などまるで問題になりません。


 もし、この状態で平地で全力疾走したならば、地球における短距離走の世界記録を大幅に塗り替える事は確実です。更には持久力も上がっているので、そのスピードを少なくとも何十分、もしかしたら何時間かは維持できるかと思います。



 無論、強くなったのはそれだけではありません。


 現在の体重が何キロあるのかは体重計がないので正確なところは不明ですが、少なくとも百キロは優に超えているでしょう。

 ですが、そんな重さを、石壁のちょっとした出っ張りや傷に指を引っ掛けて支える事も簡単です。指一本で全身を支えるどころか、指の力だけで身体を飛ばして、遠目にはなんの取っ掛かりもないように見える壁や天井までもをスイスイと移動できます。


 その気になれば石壁だろうとも強引に指先を突き刺す事も可能なので、先の跳躍力と合わせればほとんど重力を無視したような移動法も可能です。



 一番基本的な魔法ですらコレですから、更なる上位の魔法ならどういう事になってしまうのか、性能を確認するのが恐ろしいくらいですね。


 いえ、昨日の朝の筋トレで検証したにはしたんですけど、あの家にある一番重いウェイトまでしか検証の為の材料がなかったので、実は筋力の最大値がどの程度なのかちゃんと把握できていないんですよ。

 それらの上位の魔法は切り札と言えなくもないですが、その札の威力を自分で理解出来ていない状況は少々不安でもあります。よっぽどの強敵でも現れない限り実戦で使用する事は無いと思いますが、こういう考え自体がフラグっぽくて嫌な予感しかしませんよ。




 まあ、話を戻しましょう。

 私は現在、地下神殿の内部を一人で探索中です。

 先述の魔法の効果を使って、壁や天井をクモやゴキブリのようにスピーディーに移動し、今のところは小鬼ゴブリンに発見される事もなく進んでいます。時折こちらが発見する事はありますが、私に注意が向く事はありませんでした。


 神殿の天井はかなり高く、壁に刻まれた彫刻もちょうどいい足場がわり。指先や足の先を引っ掛けては跳躍し、時には握力で身体を固定し、順調に捜査は進行しています。



 「おや?」



 神殿内のいくつかの部屋を覗いた後、廊下の途中に下に伸びる階段を発見しました。この場所がすでに地下なのですが、ここから更に深い場所へと向かう為の物のようです。


 その時、不意に閃きました。

 ――――仮に人質が生きて囚われているとしたら、それは何処か?



 牢獄。

 外側から鍵をかける事が可能で、極力脱出が難しい場所。

 牢屋というのは、地下に設置する事が多い施設です。戸や窓が少なく、自然と脱走路が限られるので管理がしやすいのでしょう。

 

 小鬼に鍵という概念を理解出来るだけの知能があるかまでは不明ですが、わざわざ人間を生け捕りにしたのならば、逃げ難い場所に入れておく可能性は低くありません。確認する価値はあるでしょう。


 さいわい、階段の周辺及び、見通せる範囲内では階段の途中にも小鬼の姿はないようです。意を決して下り階段に飛び込んで、段差を十段飛ばしくらいで駆け下りて、そして見つけました。



 「大当たりでしたね」


 階段の下にあったのは牢獄。

 重厚な鍵の付いた牢の中に、囚われた兵隊さん達が入っていました。人数はひー、ふー、みー……全部で十二人、聞いていた通りの数です。武装に関しては当然ながら奪われているようですね。


 皆さん、意気消沈してへたり込んでいるので、まだ私には気付いていないようですが、大きな怪我などはなさそうです。

 あ、パッと見た限りですが、特にエロい目に遭った様子もないので、その点もご安心下さい。



 さて、それでは人質を牢から助けて、この遺跡から脱出する方策を考えますか。


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