表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

……ロリっていうなぁ!

…小学生?


何故小学生が高校にいる?


しかも、来るタイミングから生徒より先生の様である。


間違えて入ってきてしまったのか。


そう考えていると、


「こんにちは。間違えて入ってきちゃったのかな?」


と話しかけて見ることにした。


すると、


「失礼なぁ!私はここの担任だ!」


頬を膨らまし、その小学生は叫んだ。


涼介は固まった。


「え、えーっと?担任の先生のお子さんかな?」


涼介は諦めず、小学生に話しかける。


きっと、勘違いしているのだろう。ちょっと頭を打っちゃって、自分が高校の担任になった夢でも見て、それで来ちゃったとかではないだろうか。


先生の娘さんとか。


そんな期待は、意外とすぐぶっ壊された。


「だからっ!わ・た・しが!ここの担任の秋雨(あきさめ) 紅葉(もみじ)!机の上のプリントに書いてあるじゃん! 」


机の上のプリントを見る。


サラッと見ただけだったので、担任の所迄見ていなかった。


見ると、そこには本当に目の前の小学生の写真が貼られてあった。


……先生とは思えない。


『始めはそーだよなぁ…』


『あったあった〜紅葉ちゃん先生とは思えなかったな』


同じ事考えていた奴もいた様だ。


「分かった?私はここの担任なの!後!私は大人!免許もあるの!断じて小学生なんかじゃないのぉ! 」


それを聞き、何となく把握は出来た。


でも、気になる事もある。


「すいません、質問なんですが、小学生先生。」


「小学生言うなぁ!まぁ、いいや。なに?えーっと……はねや……君? 」


「はや、です。先生、授業なんかできるんですか」


そう、これだ。


こんな見た目小学生ロリが勉強、ましてや高校の授業なんか出来るのだろうか。


……実は天才だったりして。大人だっていうし。


「……あー、それはねぇ、勉強は私担当じゃなくて、他の先生がやってくれるから」


そうですよね。じゃあ、


「なんで先生いるんですか? 」


1番気になることだ。


「まぁ……それはねぇ、私は体育、もとい、挟醒の訓練担当だからねぇ」


「では、あの二年生から始まる、挟醒の訓練は、先生がやるんですか? 」


「そーそー。私の訓練は少しキツいけどねぇ。」


何となく把握は出来た。


しかし、こんな見た目小学生が、挟醒なんて出来るのだろうか。




挟醒。ここ十数年で発見された、人類の新たな力であり、スポーツの一種。


この世界の裏の世界、《幽界》を開き、魂を送る。


そこでは、人間の秘められた力を開放する事が出来る。


まるでゲームの様である。


凄い力を見つけたな、としみじみ思う。アニメやマンガの様な世界を作り出せるとは。


但し、少し違う所もある。


まず、HP、MPなんて物など無い。


勝ち負けは相手が死ぬまで。


次に、魂を送っているため、現実世界では心肺停止状態になる。


よく見る、ゲーム系アニメでは、意識をゲームに送り、肉体は残り、眠っている状態、と言うが、


ぜんっぜん違う。


肉体の機能を全て幽界へ持っていく為、全機能が停止する。


まぁ、戻ってくれば、全てが稼働しなおす。


これに反発する者もいた。


『危険だ』『本当に死ぬんじゃないのか』などなど。


だが、そんな事故は一回も起きた事は無い。


どうやら、幽界で死んでも、肉体には何一つ危害は無いらしい。


科学者達が何年もの時間をかけて、その安全性を確認した。


「と、言うことでね、安全なんだよ。」


そんな説明を、長々と30分程聞かされた。


かなり端的に纏めた物がさっきの説明である。


あれでもかなり纏まっている。


「さぁて!次に!自己紹介でもやるかな?一応一年いるし、なんとなく顔は知ってるかもだけど、名前は知らない人の方が多いと思うよ。それじゃ!まずは、右端から順に行こうか!立って話してね!」


気付いたら、つっ伏していた者が皆起きている。


そして、強制的に自己紹介が始まった。


右端の男子が立ち上がり、話し出す。




……一通り済んで、名前と顔を覚えた。


緑野 俊、西野 星楽、神崎 侑介、夏原 鈴蘭、葛木 木葉、唐木 当夜、薊 心、此峯 柚華、涼介の9名。どうやら、1人分の席が空いている事から、転校生か休みだろう。


それにしても、何故ここまで少ないのだろうか。お陰で覚えやすいが。


実は、俺はとんでもない力を持っているのかも。


と期待を浮かべる。


「あ、そーいえば、ここにこんな人少ない理由なんだけどねー、他の人とは違う力がある……」


「本当ですか?秋雨先生ちゃん」


「だからぁ!ちゃんとか付けないでって!……ゴホン、力はあるんだけど、まだ秘めている、ってだけ。しかも、その状態だとねぇ…リアルでは、普通の人間よりも弱いのさ。」


予想の大きく斜め上に進んでしまった。


普通の人間より弱いって……


あ、でも、


「と、言うことは、俺らは鍛えられる為にここにいる訳であって、強くなればかなりの力を持つって事ですよね?」


「あー、そーそー。そゆこと。」


ふむ。ならまぁ、強くなるのなら問題は無い。


「他にやる事あるかな?……うーんっと、良し、無い!帰って良し!」


「「ええっ!? 」」


唐突過ぎる。さっきまで話していたのに。


「あ、明日から羽屋君の訓練始めるから、ジャージ、持ってきてね。」


「「……はーい」」


そして、今日の学校は終了した。
























評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ