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_______チュンチュン。


小鳥の、朝を告げる鳴き声が聞こえてくる。


「……っ、くああ…」


と、羽屋 涼介は

ぐぐぐっ、と身体を伸ばし、大きな欠伸をする。


寝ぼけ眼で近くにある棚に向かう。


「おはよう、母さん。」


微笑を浮かべながら、棚に飾られている写真に挨拶をする。


母の美紀は涼介が小学二年生の時に、交通事故で亡くなっていると父から聞いている。



数秒、黙祷をする。



軽く深呼吸をして立ち上がり、部屋を出て、階段を降りる。


トントントン、と包丁の音と、ふわっと香る朝食の白飯の湯気。何とも言えない芳しい香りである。


それに浸っていると、包丁の音がやみ、ひょいっと台所から頭を出して、姉のゆかなが話しかけてきた。


「おー!涼介、おっはよー!今日は元気かなぁー?」


「おはよう、姉さん。勿論。僕は元気だよ。」


ニコリと笑って返す。


基本、他人への一人称は誰でも『僕』で話す事にしている。


ゆかなはうんうんと頷いて、調理へと戻る。


もう少々時間がかかると感じた為、部屋に戻る事にした。


時計を見ると、時刻は6時10分。


「いつもより少し遅いが、まぁ大丈夫かな」


準備も完全に済ませ、朝食をとる。


シンプルに焼き魚と味噌汁と白飯。

それとお新香と海苔。


良くある焼き魚定食の様である。


だが、味が違う。


一口食べれば分かるはずである。


姉のゆかなはある料理の大会で優勝する程の腕前なのである。


…旨い。ただ、旨いとしか言いようが無い。


涼介が感動の余韻に浸っていると、

ゆかなが思い出に耽るような表情で話し始めた。


「いやぁ…あのちびっ子涼君が高校生とはねぇ…。」


「……僕、もう二年生だよ。」


「お姉ちゃん…ボケたの…?」


妹の桃花とほぼ同時にツッコミを入れる。


と、そんな談笑をしていると、時計の時間は7時を過ぎていた。


「もう、時間かな。行ってくる。」


制服を着る。


基調は黒の、スーツに近いブレザー。


胸には高校の校章が付いている。


ネクタイを締め、バッグを持つ。


「…それじゃ!行ってきます!」


「…あっ、ちょっと待って。」


引き止められた。


「何?」


「これこれ!クロフォ!忘れてってる!」


「あっ!あぁ、危なかった!ありがとう!行ってくるね!」


時間が無いので、パッと取って学校へ向かう。


クロノフォン、略してクロフォ。


名前の由来はまんま黒野さんが作ったから。


日本で作られた高技術のスマートフォンとして、現在大人気となっている。


しかし、これは非売品である。理由は、この学校独自の仕様となっている為である。


その仕様とは…後日、説明をさせてもらおう。



涼介の家から約15分。そこに高校はあった。


市立有醒高校。時代の最先端を行く、三つの高校の1つである。


日本の中ではこの三つの高校のみにある設備が完璧に整えられていて、毎年受験者が絶えない難関校。


涼介は、そこに転校する事になった。


理由は様々であり、説明すると、長くなってしまう為、いつか話そう。


高校二年生、しかも学校が違う状態。本当に大丈夫なのだろうか。


そんな不安を考えながら、目を一度瞑り、呼吸を整える。




「さて、行こうか!」



そう言い、また、歩き出した。









かなーり兄のパクってます。

って言うか、兄の残していたメモ使ってます。


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