あの時からひと月後(後)
「!!母上それは・・・・・・!」
ルクレとイリスリアは羊皮紙に書かれている内容に驚き、玉璽があることに更に驚く。玉璽があるという事はこれは国の決定事項であり誰にも侵されない約束事だからだ。
「5年後ライノールが学園に入ってから《《必ず》》女性問題をおこす。あやつは母親であるティファス殿にそっくりじゃからの。のうシューメイ」
「ええ、頭が足りてない辺りが特に」
ほほほほ・・・・・・と黒い笑いをする母親2人からどす黒いオーラが出ている事で、側妃も異性関係で色々やらかしているのだとルクレとイリスリアは察する。そして父上はよくそんな側妃を召し上げたものだとルクレは密かにため息をつく。
「既にあやつは勘違いして王子教育を疎かにしておるしの。ルクレ、そなたは王太子教育をしっかりこなすように」
「はい、母上」
「イリスリアはライノールに対して何もせずともよい。どうせあやつは手紙やお茶会などせぬだろうからの。これから始まる王太子妃教育を頑張ってほしい」
「はい、将来ルクレ様の隣に堂々と立てるように精進いたします!」
「イリスリア・・・・・・」
決意を秘めた強い眼差しに感動するルクレと満足そうに頷く王妃。
「良い決意じゃ。そんな2人に王妃としてではなく母として心を砕こう」
「しかし、もしライノールが何も事を起こさなかった場合どうするのですか?」
母親の言葉は信じるが突拍子もないことをするのがライノール。ルクレが不安になるのも致し方ない。
「その時はこちらで手を打つから安心しなさい。ふっふっふっ」
それから王妃の言葉通りルクレとイリスリアの手紙は王妃とシューメイの手紙の中に紛れ込ませやり取りをし、王太子妃教育の一環と名を打った王妃の部屋で行われるお茶会にルクレも参加する事で交流をしていった。
もちろんその間、ライノールからイリスリアに手紙や接触は学園に入学するまで一切無かった。
そして学園に入学すると同時に王妃が予測していた通りライノールは派手な女性関係を見せ、「自分は王太子になる身だ!」と豪語して回っていた。
大半の生徒は、イリスリアと婚約しているのにも関わらず女生徒とイチャコラするライノールに顔を顰めていたが、本人達は諌められる事が無かった為にそれは堂々と学園内で過ごしていた。
その結果が卒業パーティーでの婚約破棄騒動である。




