王族は体裁が大事
「ああ、ライノールはまだ生きてるよ。あれでも王族だからね、今は北塔に幽閉されているんだ」
牢屋は3種あり、一般牢と貴族牢の他に罪を犯した王族が入る牢があります。北塔は王族専用の牢、処罰を受けるまで幽閉される場所です。
すぐ毒盃を賜らなかったのは数ヶ月そこに入れて《《病死》》という形をとるのでしょう。あれだけ大人数の前で事を起こしたのですからすぐに賜ってしまったら変な勘ぐりをされてしまいますものね。
淡々と受け入れて薄情に見えるかもしれませんが、城の隠し通路は弱みそのもの。流布は国にとって死活問題なのです。それを一貴族、しかも末端の男爵家が知っていい事ではありません。なのでこの対応は致し方ないと一般的な貴族は思うはずです。
「側妃様・・・・・・側妃様はライノール様が厳しい処罰を受けて悲しまれているのではないですか?」
「悲しがっているというより残念がっているのう。自分の子が王位継承権を何故持てないのかと暴れておったわ。ライノールが国王に即位したら国王の母、王太后になれると思っていたらしいからの」
どうせ地位が上がれば自分に割当てられる金額が上がると思ったのじゃろうてと、呆れたため息をつく王妃様になるほどと納得する。側妃様に対する関心が薄れてきた陛下を見て、徐々に割当てる金額を減らしていると王妃教育の時に王妃様から教えられていたのを思い出しました。その時は公務もせずドレスや宝石を買い、お茶会をするだけの方なので納得していたのですが、この前側妃教育を終わっていない事を聞いてもっと減らせばいいのにと個人的に思ってしまいました。
ライノール様の事もあり婚約式は3ヶ月後、結婚式は2年後となりました。王族籍から外されるとはいえ責を犯した元王族の死からすぐに式を挙げるのは体裁が悪いですからね。
ルクレ様は早くわたくしと夫婦になりたいとおっしゃってくれますが、わたくしとしてはやっと人目を憚らずルクレ様と過ごせる様になったので恋人の時間を楽しみたいと思いますわ。
だって今まで王宮の部屋か庭園でしか一緒に過ごしてないのよ。お忍びで王都の町を歩いたり遠出したり別荘に遊びに行ったり・・・・・・結婚の準備もあるので2年なんてあっという間ですわね!




