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時計塔内とオレ

最初にお詫びを。

水曜に掲載されると期待された方がいらっしゃったら申し訳ありませんでした。

お詫び(?)も込めて気持ち多めに書いてます。


内容自体は箸やすめですけど(そっと目逸らし)。

 とりあえず左手を壁に着けて歩いてみることにしたんですよ奥さん。

 ほら、あの迷路攻略法の有名な奴ですよ奥さん。

 手は右でも左でも良いんだそうだが、出口が外側に繋がってる限りは出口が見つかるんですって、御存じですか奥さん?


 と、某司会者っぽく言ってみたんだけど思ったより似なかった。残念。

  

 えーと、ちなみに分かってると思うけど基本、迷子になったらその場から動かない方がベターだ。

 まあ山の遭難とかは話が別だけどさ。

 ついでに言うと、この方法すっごく効率が悪いです。運が悪いと延々時間かかりますから。

 で、何でそんなこと分かってるオレがこんな方法を取ってるかっつーとですね……うん、まぁ、あれだ。

 あれです。


 察して下さい。


 ほら、それに折角うっかりとはいえ入っちゃった時計塔の中も見物したいじゃん。

 今なら見つかっても「迷子だったんです!」で済むし。

 それならががーっと端から端まで観光してやらぁっ! 目の玉ひんむいてよーく見やがれ! じゃなかった見てやるっ! ってなもんですよ。

 適当に疲れない程度にうろちょろと(無許可ですが)見学させていただこうと思ってます。はい。


 しかし、時計塔っていうくらいだから中身は時計だらけかと思いきや、実は溝だらけでした。

 溝です。ミゾ。みぞ。

 いやイントネーション変えてみても意味ないんだけどね。

 今歩いてる廊下……だと思う所の天井、床、壁の全面に溝が付いております。

 ……何? 何か溝に相当な思い入れがあるんですか?

 ちなみに床の溝は進行方向縦に平行にざーっと走ってる。

 壁と天井のは何かうねうねしたり、水平方向だったり垂直方向だったり個性豊かだ。

 いや、溝に個性求めても意味ないけどね。溝の個性って何だ。

 ちなみに太さも色々で、オレの指よりほっそいのもあれば、オレの両足が余裕で突っ込めそうなぐらいぶっといのもある。

 え? 分かりにくい?

 ……まぁ、色々あるってことだ。以上。

 しかし、溝だらけなんだけど、これがぱっと見は何かの意味のあるもように見えるから不思議だ。

 時計塔マジック、こうですか? 分かりません。

 それによーく見ると、壁とかのところどころにちょっとした飾りが埋め込んであったりする。

 見た目はビー玉ですけどね。

 もしかしたらポチっとやると何処かでドカーンとドクロの雲が上がる、触っちゃいけないボタンなのかもしれない。

 

 ……押してみる?


「ていっ!」


 いぇーい、押しちゃったー!




 ……しかし何も起こらなかった。


   


 反応が無い、ただの飾りのようだ。


「ちっ。期待させやがって……デュラン並みにがっかりな奴だ……」


 いや、ドカンと一発はげ頭になっても困りますけどね。

 まぁ、特に意味が無いことは分かりましたよ。

 多分、溝だらけの壁とか味気ないから足しちゃえー、なノリで埋め込んだんだろうな。

 ちなみに溝ですが、基本用途不明です。

 しかも、足元の溝は完璧に埋めてあります。足でぺチぺチしてみたんだけど、何か透明なカバーがかかってるようで引っかかることが無い。歩く人にやさしい設計だけど溝の意味なくね?

 ちなみに壁のやつはしっかり触るとデコボコがあって、溝らしい溝だった。いや溝らしい溝って意味分からん。

 天井のは……知るか、届く訳ねぇだろ。舐めてんのか貴様。

 でも天井の溝は一応、用途は判明してる。可動式ライトのレールになってるから。

 ライトがくっついてるってことは多分溝カバーはされてないと思うし、用途イコールライトの移動先までのレールってことでOKだろう。

 しかし何でここにあんな可動式のがあるのかは分からんな。

 時々虹色に発光する壁の溝をつんつんしながらオレは取り合えず歩き続ける。

 ずっと同じ景色で段々飽きて来ましたよ。

 本当に飽きて疲れたら、その場で止まって休むつもりだから良いけ……今、何か指先にひっかかったな。

 オレは足を止めて(いや、疲れてきたから丁度良いなとかじゃねぇよ? マジで)指先に違和感を感じたあたりをじっくり観察してみる。

 うん、立派な溝ですね。

 いや、溝はそうなんだけど……今までとちょっと手応えが違ったような?

 んー。

 さわさわと撫でまわしてるとまた何かひっかかった。

 溝の縁に、よーく見るとちっちゃなほそーい線というか……あぁ、溝ですね。

 もう溝すぎてお腹いっぱいです。

 とか思いつつ、俺はその極細の溝をそーっとなぞってみる。

 下は床まで、上はオレがの腰よりちと上の高さまであって、そこから床と水平方向にグーッと伸びて、また下に。

 ……四角形?

 いや、これはもしかするとアレか?

 オレはその囲まれた中をぐいぐい押してみる。うん、反応無いな。

 溝に指を無理やり手前に引っ掛けて引っ張ってみる。違う。

 ふむー……あ、そうか、そう言うことか。

 オレは壁に嵌めこんであったさっきの謎のスイッチもどきのところに指を合わせて、ぐいっと横にスライドさせるように動かす。

 外れてたら恥ずかしいけど。


「おっ、開いたっ!」


 ピンポーン、大正解! 隠し扉発見!


「デュラン、面白いもの……あ、居ないんでしたっけ」


 すげぇ恥ずかしいので今のは無しでお願いします。

 てか、やっぱりこう言うところって変なからくりとか謎の仕掛けとかあるんだなぁ。

 脱出ゲーム好きのオレとしてはワクワクする。

 王道的に電池の入ってない懐中電灯とか、プラスドライバーとか、あとはメモの切れ端を集めて暗号解読とかあったら良いのになぁ……流石にないか。

 さてさて、開いた先には何があるのかね?


「おじゃましまーす?」


 一応挨拶して、壁に空いたトンネルをくぐった先は……不思議の国でした。

 いや、冗談ですよ。

 そんなだったあの人達ブタにされちゃうし、オレ銭湯で働かなきゃならんし。

 入った先は、誰かのプライベートルームらしき空間だった。

 大きな卵型のドーム天井には白い大きなモビールぽいものがゆらゆらしてて、透明なタイルが張ってあるらしい足元は謎の液体に満たされてて、その中でガリレオ温度計みたいな感じの球体がぷかぷか動いてる。

 かなり下の方までその謎の玉があるのを見るとかなり深いらしい。

 透明なせいで水の上に張った氷の上に立ってるみたいでちと落ち付かない。

 とりあえず、飛び石みたいにところどころ白く塗られてる円の上に立っておく。あ、これだけ何故かウサギ型だ。

 そう言えば……よーく見ると、この部屋ところどころウサギが隠れてる。

 本物じゃなくてこう、ウサギの頭をデフォルメしたみたいな形のモチーフが隠れてるのだ。

 ほら、あそこのモビールにもこそっとまざってるし。

 壁際に置いてある大きなソファーの中にもウサギ型のクッションがある。

 足元のガリレオ温度計もどきの中にもピコッとした耳が生えたのが居る。

 壁と一体化してる収納スペース(中身は普通の食器だ)の取っ手も片方がウサギだし、置いてある椅子も背もたれがウサギだったり、真上から見ると座席と脚でウサギになってたり。

 ……何? 探し物ゲームですか?

 テーブルの隅っこにペタリ通された黒い隠しウッサー(これからそう呼ぼう)をさらに一個追加で見つけながらオレは部屋を見回す。

 何か、全体的にシンプルというか機能美追求みたいな部屋なんだけど、その一方で隠しウッサーがあるわ、ビーズクッションが置いてあるわ、モービルはゆらゆらしてるわだし、薄い水色の壁にはところどころクレヨンの落書きっぽいのがあったりするし。

 あ、あそこにあるのってデュランも持ってたひょうたん型コーヒーメイカーじゃね?

 えーっと……。


 何だろうこの絶妙なカオスっぷり。何ていうか、オシャレな子供部屋、みたいな。


「うーん、隠しウッサー探しも良いけど、あんまり大したものなさそうだな。先行くか」


 幸いというか何というか、オレから見て一時の方向にぽっかり空いたアーチ上の出入り口がある。

 扉もついてない。

 どうぞ好きなだけお通り下さいって感じだ。

 いや、実は通った瞬間に即死的なトラップかもしれないけど……違うよね?

 一応通る前にさっき空になったペットボトルを突き出してひらひらしてみたけど問題なかったので、オレはそのままそこを通過して今度は随分広いスペースに出た。

 うむ、即死系トラップではなかったようだ。良かった良かった。

 


「久しぶりだな」


 即死系な声がした。



 

【作者後記】

危ないボタンかもと思いつつもぽちっとやってしまうナカバ。

いや、普通に駄目でしょう。

普段本人はこんな危ないことはしない子なのですが、今回は色々と無茶をやらかしてます……はてさて、その無意識には何があるのやら。


ということでお久しゅうございます。尋でございます。

初めての方、お越しいただきありがとうございます。

リピーターの方、ようこそ。またおいでいただけて光栄です。

水曜日……と思ってるそこの貴方。

……。うん、まぁ、色々ありまして(目逸らし)


とりあえず明日は予定通りUP出来るようにします。

予約しておきます。


それでは、また次もお会いできることを願って。


作者拝


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