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戦闘準備とオレ

「戦闘準備」


 リムりんとヴィーたんが直ぐに立ち上がって、クローゼットのスーツケースからそれぞれ武器を引き抜く。

 デュランも落ち着いた動作でデ……何だっけ。もう良いよ、デンジャーで。


「この車両に他に人は?」

「部外者は居ない。買い占めた」


 何かさらっと言いやがったこのセレブ。


「座席全部?」

「そうだ」

「大人二枚じゃなくて?」

「あれは俺の名前で予約した席の話だ」

「うわー……」

「……凄いですね」

「……身も蓋も無いわね」

「……何故その反応になる」


 いや、なるってば。


「とにかく、この車両は抑えてある。侵入は一両目からになるだろうから連結部を抑えてくれ」

「……そうね、行くわよヴィクトリア」

「了解です」

「ナカちゃん、大人しくしててね」

「らじゃー」


 ビシッと片手にスコーンを掴んで敬礼したオレにリムりんがにこっと笑う。

 オレのウィンナーの仇は任せた。


 さてと……オレは隅っこで大人しくしてるとするか。

 何か食い物先に確保しとかないとなぁ。これとこれとこれと……ん?


「デュラン、あんたは行かないのか?」

「ん? あぁ……行かないな」

「へー。じゃ、そこのチーズとって」

「どうぞ」


 立ってる物は魔王でも使え。

 あ、トマトも一緒に乗っかってきた。なかなか気がきく奴だな。

 後でパンで挟んで食おっと。

 皿を抱えてコンパートメントの隅っこに座り、上に乗っかった朝飯をちまちま齧る。


「で、何で残ってんの?」

「俺は餌だ」


 餌? 何の?


「俺が動いては奴らも襲撃しづらいだろうからな」

「あ、成程。敵をおびき寄せといてパクっといく訳か。チョウチンアンコウみてぇだな」

「……。まぁな」


 ふーん、まあごくろーさんってなもんですよ。


「ん? てことはここ一番危険なんじゃ」

「そうだな」

「だせー! ここからだせー!」


 死ぬー!


「まぁ待て勝手に外に出るな。危ないから」

「ぎゃー、無理心中ー! 無理矢理おそわれるー! 乱暴されるー!」

「人聞きの悪い事を」


 苦い顔でオレの首根っこを捕まえてひょいと元の位置に戻し、デュランは「それ以上騒ぐと俺が襲うぞ」とそれはそれはお美しい笑顔を浮かべやがりました。

 くそぅ……暴力反対。脅しに屈してなるもんか。

 オレは隅っこで膝を抱えてギッと睨む。


「詐欺師、強姦魔、痴漢、変態、誘拐犯、鬼、悪魔、鬼畜、お前なんか魔王だ」

「……。ナカバ、最後まで黙って話を聞け」

「ハイ」

「良いか、ここが一番安全だ。何故ならこの周囲にはDDDの5thを配置してあるからだ」

「……さっき他に誰も居ないつったじゃん」

「部外者は居ないと言ったんだ」


 ……そうだったかも。


「それと、少し襲ってくる連中にはフォローが必要なのでな……ここで待ち伏せている」

「フォロー?」

「洗浄作業だ」


 お前の言う事は分からん。

 あんたが驚きの白さなのは良く知ってるけどさ。


「取り合えず俺の傍が一番安全だ。分かったらそこに居ろ。離れてはこの体のスペックではカバーしきれん」

「リムりんとヴィーたんは危険ってこと?」

「連結部分は一番防衛が厚い。DDDの戦いぶりを見ておくのも彼女たちには悪くないだろう……特に、あのヴィクトリアという少女の方はな」

「そんなにDDDって凄いわけ?」

「まぁな」


 まぁ、実際被害を受けてる魔族のデュランがそう言うならそうなんだろう。

 ヴィーたん行き詰ってたからなぁ。

 少し学校の外の出来る人ってのを見る方が良いのかも知んない。


「ありがと」

「何?」

「ヴィーたんの事考えてくれてさ」

「ついでだ。……お前、自分の事で無ければ意外に素直に礼が言えるのだな」


 何故か苦笑された。

 なんだよ。友達に良い事あったら一緒に喜んで、相手にこっちもお礼言うのが当然だろ。

 友達だもんよ。


「さて、そろそろ俺の匂いに惹かれて愚か者が寄ってくるぞ」

「フェロモン?」

「……まぁ、そうかもな」


 え? あってるよね? そういうのフェロモンっつーんだよね?


「ナカバ」

「何さ」

「朝食がこれ以上床に落ちないようにキープしておけ」

「あいあいさー」


 そう言う事なら任せとけ。

 オレは口いっぱいにチーズを頬張ったままびしっと敬礼した。


 

【作者後記】

さーて、ナカバが居る状態でどこまで戦闘書くかなぁ……。

うっかりすると即座に残酷シーンに行きそうになる問題児の尋です、どうも。


暑い日が続くなかご来訪ありがとうございます。拍手感謝です。

久々のリアルタイム投稿です。

お気に入り登録79まで増えてました。ありがとうございます。


それと、リクエストありがとうございました。

出来あがった順にUP予定です。雑談に上げる方が良いのかな……。


まぁ、まだ続きます。

引き続きお付き合い下さいませ。


作者拝


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