金の下着は俺の物だ
倒れ込んだ2人のモブの腕と足を強がロープで縛り、メイドが街の護衛隊を呼びに行く。
しばらくすると護衛隊が到着してモブ2人を連行する事に。
「盗賊団の女2人を捕らえました。これより連行します。御協力感謝です」
と護衛隊の隊長らしき者が答えた。
「女……?」
強の中でモヤモヤが残る。
「とりあえず、これ以上ここに居てもまた被害にあう可能性があるだけだし、次の街へ移動するか」
と強が切り出す。
「いいえ、私はもう少し盗賊団について調べるべきだと思います」と金の美女が答えると、少し考えて強が答えた。
「まぁ金の美女がそういうなら、しばらく街で捜索してみようか。もしかしたら勇者との関わりもあるかもしれないからな」
「その必要はありません」
「え?なんで??」
「あちらの白いレンガの建物の3階から覗く人影、そしてあちらの赤いお店の角からチラチラとこちらを見る人影、あと、この街に入ってすぐから、私達の後ろを遠距離から尾行してる人影を確認できています」
と金の美女が答える。
「ひ……1人も分からなかった…」
と強。
「すごい…」
とメイド。
「というか、盗賊団の狙いって何なんだ?」
「たぶん私の下着です」
「いや!俺は狙ってないぞ!」
「あなたの話はしてません。というかボケツ掘りましたね?」
メイドが強を横目に呆れた表情で見つめていた。
「というか何で下着なんだよ……王様から貰った金品とかじゃないの?」
「だから、王様から貰った金の下着をはいているんです。恐らく彼等の狙いはそれです」
しばらく気まずい空気が流れるが、その静寂を破り口を開く強。
「いつ貰ったの?」
「露天風呂を出た時に置いてありました」
「いやいや、俺は赤いフンドシだったんだが?」
その時、痺れを切らした盗賊団の1人が近づいてきて強一行に声をかけた。
「そこの金色の美女、下着を脱いでこちらに渡して貰おうか」
と盗賊団モブが言うと、強が答える。
「金の美女の金の下着は俺の物だ」