アリスの潜在意識
決勝戦開幕———
「痛くないようにしてあげるわ…」
開幕と同時に、泉の女神が右腕を上にあげ魔法を詠唱する。
女神の正面には少し俯き加減のアリス……眼光が光ると同時に姿が消える。
「………え………?」
次の瞬間、女神の背後から現れたアリスが、身体を回転させ、その遠心力を加えた一撃が炸裂する…!
咄嗟に反応した女神は、神剣を構えてその攻撃をガードすると、その衝撃で身体が3メートルほど吹き飛ばされる…!
「……くっ……ただの小娘では無さそうね…」
「……」
『これは!まさかの展開……!まじまじと見ていた私でも全く目で追う事ができませんでした!!』
『……いや……すげぇ!…』
「そ、それなら今度はこっちから……え……?」
再びアリスの姿が消えると、女神が背後を振り向くが誰も居ない…。
現れたのは頭上だった……狙いはスイカ!
攻撃をギリギリで受け流す女神だが、表情は険しい。
アリスと距離を取り、息を切らす女神。
「空間移動が可能なのね…あなた」
「……はい」
「この世界でそんな魔法使える人間が居たなんてね、驚いちゃったわ」
女神が神剣を地面に突き立てる。
「これで、あなたも少しは大人しくなれるわ」
天地創造魔法【過剰重力】
会場全体を魔法陣が覆うと、アリスが自身の重力に耐えきれずに膝をつく。
身動きが取れないアリスを横目に、女神は余裕の表情を見せる。
「じっくり可愛がってあげたいけど、そういうの趣味じゃないの。楽に飛ばしてあげる……」
女神は左手をあげ魔法を詠唱する…。
『あれは…まさか!先の試合で見せた世界滅亡魔法!!皆さん……気をつけてくださいね!!』
(女神様……手加減なしかよ…)
……だが、女神の左腕は、魔法の詠唱が完結する前に斬り落とされる…!
「なっ……どういうこと…!?」
「……あなたが見ていた私は幻影、本物はこちらです」
一瞬で女神との距離を取るアリス。
会場が一瞬静まり返ると、再び最高潮の熱気を見せる…!
アリスちゃーーーん最高!!
そのまま圧勝してくれーーー!!
アリス!!アリス!!
会場全体でアリスコールが始まった。
「次で終わらせます…」
「どうぞお好きに……」
左腕に回復魔法をかける女神を横目に、その姿は再び視界から消える。
そして女神の背後から短剣で腹を一突、アリスの短剣は血に染まっていった。
「降参しますか…?」
「………それは冗談が過ぎるわ…」
女神は突き刺さった短剣を引き抜き、先程地面に刺した神剣をオーラで手の平に戻すと、反撃の一撃をお見舞いする。
それをひらりと交わし、距離を取るアリス。
『この状況、誰が予想していたでしょうか!!圧倒的にアリス選手が優勢!!このまま押し切れるのか!?』
(これが……アリスの潜在意識…、勝てよ、アリス!)




