大丈夫ではない
嵐の前の静けさ——
そしてその時が訪れた。
ザッザッザッザッザッ
荒野に広がる10万の群勢がゴンドーム共和国の前に立ちはだかる。
ゾンビ達はそれぞれラフな格好をしていて、戦いをするような雰囲気ではなかった。
群勢を後方で指揮する三名の隊長格。
欲望軍A部隊隊長『キッス』
欲望軍B部隊隊長『ペテング』
欲望軍C部隊隊長『セクス』
目を細めこちらを誘惑するような表情でキッスが語る
「ふふふ。彼ら……たった4名で戦うつもりかしら…?」
それを聞いたペテングが不気味な雰囲気で語り始めた
「………殺す……殺す……」
「我々の目的はただ一つ“聖剣キャミソードに選ばれた男の奪還“……それだけのことよ」落ち着いた雰囲気でセクスが語った。
「あの後方にいるのが隊長格3名で間違いなさそうだな。オーラの量で分かる……かなりの力だな」と勇者が言う
「そうでありんすね…面白くなりそうでありんす!」
すると愛が地面を蹴り上げ、上空500メートルほどの高さまで飛び上がった。
蹴り上げた地面は月のクレーターのような破壊痕ができていた。
そして目を閉じて両手を上に上げ、何やら魔法を唱えている。
その両手からは禍々しい紫色のオーラが集中し、誰もが息を呑むような力を放っていた。
集中させたオーラは、群勢に放たれる。
滅びの魔法【Grand Finale】
「まずい!逃げろ!!」勇者が叫ぶ。
放たれたオーラは群勢の中央で強烈な光を放ち、超巨大爆発を起こした…!
体を引き裂くような爆風が周辺に衝撃を与える。
しばらくすると爆煙が去り始め、視界が回復すると、目の前にいた10万群勢は……木っ端微塵になっていた。
そして大地は抉れ、空気は焼け焦げ、地平線までもが揺らめいていた。
両手を地面に突き腰を抜かしたキッスが、口を震わせながら口を開いた。
「……なっ……!化け物がっ…!!!」
不気味な雰囲気のペテングが笑顔で答える。
「……殺した……殺した……」
「ありえない事態だわ…」セクスが肩を落とした。
上空に飛び上がった愛が着陸し、姿を見せると少し気まずそうな雰囲気で話し始める。
「すみません、打つ前に伝えるべきでした。大丈夫でしたか?」
(大丈夫ではない…)




