私は強いんです
「欲深き男め。良いだろう。金の美女をお前に授けよう」
女神が嫌そうな顔で答えた。
「有り難き幸せ。大切にします」
うっすら微笑み、瞳を閉じて少しうつむき加減で答える。
強は人生勝ち組を確信した。
そして心の中で口を開く。
(これまでの全てに感謝)
すると、女神の左側から金色の光が輝き出し、美しい美女のシルエットが浮き出てくると同時に、本当に美女が現れる。
「あ、あの……よろしくお願いします。強って呼んでください!」
緊張しながら美女に声をかける。
「嫌です」
あっさり断られる。
………5秒くらい気まずい静寂があり、女神が口を開く。
「では、あとは任せるわ。金ちゃん」
と言い残し、女神は姿を消した。
美女との距離感が掴めないまま気まずい沈黙がしばらく続いた。
「とりあえず……食べ物と飲み物を確保したい。協力してほしい」
と強。
「分かりました」
意外と素直。
それを聞いて少しホッとする。
とりあえず今いる場所について美女に確認するが、全く情報は持っていなかった。
諦めて来た方向とは逆の新たな方向へ歩き出す強一行。
しばらく歩き進めると、画面が急に暗くなり、再び明るくなると、目の前に魔物が現れた。
魔王レベル99。
「あ、ごめん終わった」
と諦める強。
「大丈夫です。私強いので」
と金の美女が答える。
強はそんな話に聞く耳を持たずに“逃げる“を選択するが、『しかし逃げきれなかった』という表示メッセージを見て絶望していると、魔王レベル99が襲いかかってくる。
金の美女は魔王の攻撃を受け流し、すかさず反撃をした。
ザザザンッ【会心の一撃】
9999ダメージ。魔王レベル99は倒された。
強はレベルが上がった。
強はレベルが上がった。
強はレベルが上がった。
強はレベルが上がった。
強はレベルが上がった。
強はレベルが上がった。
強はレベルが上がった。
【割愛】
「え?強すぎだろ」
強がびびる。
「はい。だから言いましたよね。私は強いんです」