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一話 討伐そして目覚め

 この城で、多くの仲間たちが犠牲になっていった。

 この部屋の周りには炭化した死体や石像となり粉々に砕かれた死体などが置かれていた。

 しかし、今は仲間の死に涙する時間などない日の前にいる体の大部分が目に覆われた魔王バロールと呼ばれるこの怪物を討伐しない限り遺体を埋葬など出来ないのだから。

 彼らの犠牲を無駄にしないために勇者カインと仲間達は魔王の体中にある魔眼をひとつずつ潰していき魔王を弱らせて行く。


「みんな再生の魔眼と虚飾の魔眼は潰したあとは他の魔眼を潰して倒すだけだ!」


「ガア ア ア アー」

 

 勇者カインは仲間達を鼓舞するが魔王も黙って倒れるつもりもなく残りの魔眼を使って抵抗している。

 魔眼の対処に勇者が対象しているうちに魔王は彼らに極大光線を放つ。


「プロヴィデンス・シールド!」


 しかし、魔眼によって放たれた光線は仲間のタンクによって塞がれその瞬間に大きな隙が生まれる勇者はその隙を逃しはしなかった。

 勇者は聖剣に魔力を込めて今まで以上の最大火力をたたき出す必殺技を繰り出した。 


「ソード・オブ・デストラクション!」


 振り下ろす剣の一撃、敵に与えるダメージは絶大で、その威力はまるで大地を揺るがすほど。

 敵の抵抗も通用せず、必殺の一撃で敵を葬り去る。

 

「「「やったー!」」」


 今この空間にいるものが歓喜に打ち震えていたことだろう人類を脅かす存在を討伐したことによって放たれた止むことのないように思えた。

 しかしその時間は長くは続くことはなかった。

 ガッシ!っと体を大きな腕で掴まれる感覚があった。


「なんだこれは!」


 しかし、掴まれた腕は紫色の魔力で出来た、透明な腕だった


「カインそれは、魔王の最後の抵抗だと思います。十分注意してください!」


 しかし、腕の形は崩れていきだんだんと勇者を包み込んで行く。

 全身が包み込まれた時には勇者は眠気に襲われ抵抗が出来ることなく眠りに落ちた。


<魔王バロールが討伐されました。>


<これにより、ワールドシステムのバージョン2.0が追加アップデートされます>


<アップデートにより討伐報酬機能が生成されました>


<魔王バロールの討伐パーティーに報酬が授与されました>


<魔王バロールの討伐パーティーのカインに伝説(レジェンド)級アイテム【邪眼バロール】を進呈されます>


眠る少し前にそんな聞いたことがない音が頭の中に流れ込んできた。


☆☆☆☆


  この教会では長い時が流れていたこの部屋の真ん中には黒い繭に包まれた物体があり大切にされていたのかそれとも崇められていたのかその周りには多くの硬貨や物品が置かれていた。

 周りには誰もいないもう何年も誰もきていないせいか周りの建物は崩れていた。

 ピキッ! 

 しかしその静寂にも終わりが訪れた黒い繭にヒビが広がり、やがて崩れた。


「うあ・・・」

 

 そして崩れた繭には人が眠っていた人物は長い眠りから目を覚ました。

 その少年は白髪で左眼は金色で()()()()()の容姿が整った少年だった。


「どこだここは?」

 

 確か、俺は魔王を討伐して魔王が最後の抵抗で俺に何かをしたのは、覚えてる。

 ならその結果がこれなのか服は無くなっているけど体にはどこも異常はない。

 最初は転移で違う場所に飛ばしたかと思ったけど自分の記憶と落ちている何かの破片を見る限りこれが俺を包んでいて封印されていただと思う。

 最後に見た景色が違うのはその状態の俺を仲間達が運んでこの場所に置いたと考えた方がいいな。

 

「とにかく早く着るもの探して人がいる町に移動しなきゃな」


 そのあと古びた教会に出たがどこの建物も廃墟で人はいないが服などがそのまま残っていたので貰うことにした。


「よしあとは人を探すだけだな、少し上に跳ぶかってあれ?力が出ない」


 今となって力が使えないことを知ったカインは焦るが時すでに遅し


「ワォーーーン!」

 

「ワイルド・ウルフ!」


 この廃墟を根城にしていた狼は、獲物を見つけた瞬間に遠吠えを吠え、仲間を呼び寄せた。

 この場所にいる狼は、容赦することなくカインを攻撃し始めた。


「くそ!こんな雑魚に殺されるのは、真っ平ごめんだ!生まれて十四年彼女も一人も作らず必死に生きて来たんだ!死ぬつもりはねーぞ!」


 そして戦闘を決意した瞬間に右眼は怪しく光り始めた。

 カインはその異変に気がつくことはなかったが襲いにくる狼の動きを先程より見やすくなり、無くなっていた力も少し使えるようになっていた。

 

「なぜか先より動きが捉えやすいし、体が軽い?まぁいい倒させて貰うぞ!」


 そして襲いにき来た狼の一頭の牙を引き抜きその牙で狼の喉元を刺して一頭を倒した。


<ワイルド・ウルフを倒しました。【邪眼バロール】に経験値30が入ります>


「この声は封印される前に聞いた声!」


 慣れない声が頭の中に流れて来たことにより本人が驚き、狼はその隙を逃さず攻撃を仕掛けた。


(しまった!避けられない!)


 しかし、狼の攻撃は届くことなく首が落ち、その周りの狼も同じように倒された。

 狼の首を断ち切った存在は美しい銀髪の美少女でメイドと騎士を混ぜたような服装をしている。

 

「助かった!誰か知らないけど助けてくれてありがとう!」


「いいえ、人を助けるのは、当たり前です()()()()


「なんで俺の名前を知っている?」


「これはとんだご無礼をいたしました。私はあなた様の仲間の大賢者メイア・ネモフィラ様の弟子でありメイドであるマリア・マーガレットでございます」


「あのメイアに弟子!いつも実験を人で試そうとするあいつに!」


「はいお気持ちはすごくお分かりになりますが彼女に教えて貰わなければ手に入らない物や知識がありますので弟子になりました」


 すごいなこの子、自分と歳も変わらないぐらいなのにあいつの被害を受け止めているのか。

 俺のときなんか勝手に女装させられたり、風邪で倒れたときに貰った薬でモンスターになったりで大変だった。


「話がそれてしまいましたね、私がここに来た理由は、お目覚めになったあなた様をお迎えに来るためでございます」


「どこにだ?」


「賢者の塔にいるメイア様の元にでございます」


こうして俺は、封印が解けて久しぶりに仲間に会うことになった。

 

 





小説を書き始めた初心者のケイです。作品の投稿を一週間ペースで頑張ろうと思います応援よろしくお願いします。

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