夏祭り2
風呂上がりにアイスを持って自分の部屋にもどる。2つに分けるタイプのアイスだ。天使がアイスを食べられるかはわからないが、買っておいた。
「懐かしい!よく子供の頃食べたわ」
天使の住む世界にも、アイスがあるんだな。
「さっきは悪かったわね。ご馳走様」
「いや、別に大丈……ぶ。いや、まて、ご馳走様ってなんだよ。」
2人はしばらく赤くなっていたが、ふと思い出したかのように、ラブは話し出した。
「あ、それよりも。色々調べてきたわよ。うさ子の持っているうさ耳は5本。内、使用中は他の人に使用中。4本。うさ子の天使の輪の残りは3日。」
「なぁ、天使の輪がなくなったらどうなるんだ?」
「消滅する。消えちゃうの私たち。」
「は?ちょっとまてじゃあ、ラブお前もヤバいんじゃ」
「私のことはいいのよ。まずは明日の夏祭りをどうにかするの。そのあと力を貸してね」
約束よとウインクをした。
「あ、あぁ一応流川先輩の写真は手に入れたぜ。」
「こっちも天使の矢を補充してきたわ。これあんたの分」
俺に渡されたのはコンタクトレンズだった。箱に入っていて、天使もびっくり、潤いつやめく30分と書いてあった。相手の心も見透かせる秘密の瞳をあなたにともあった、
「これは?」
「恋のコンタクトレンズよ。借りたの。これを付けてるあいだ、恋創器や天使見習いを見たり、触ることが出来るわ」
「なんだよ。こんなのあるなら最初から、渡してくれたよ。目に付けるだけならめっちゃ便利じゃないか」
「使いすぎたら天に召されるわ」
「リスクめっちゃあるじゃねーか。」
「……なにいらないの?」
「!いるに決まってるだろ。……なぁ、借りてきたって言ったけど、ラブは何か金かなんか見返りを渡したりしてないよな」
「……なんでよ」
「いや。これも。恋創器なら、誰かのものなんだろ?なら、そいつにとったら、これは」
ラブはこちらにずいと手を伸ばし、デコピンをしてきた。
「ってーな」
「あんたはそんなこと気にしなくていいの!」
「ぴょーんぴょん」
うさ耳をつけた天使見習いは神社の鳥居の上から準備に終われる人々を眺めていた。一段と高いやぐら。楽しげな屋台の数々。花火の準備。
「恨めしいぴょん。わたしがこんなに苦しんでるのにたのしそうだぴょん」
彼女は苦々しげにつぶやいた。
彼女の手にはうさ耳がたくさんあった。
「役立たずからうさ耳を回収したぴょん。ドーピングだぴょん。1点集中突破ぴょん。あのペアが可能性がいちばんあるぴょん。キスして、押し倒して、恋人の階段をかけあがらせるぴょん。」
彼女の天使の輪っかは残り少ない。
「だれか天使見習いの子が邪魔をしようとして来てるぴょん。最後に勝つのはうさ子だぴょん。……あるいは道連れぴょんぴょん!!」
その目はギラギラしていた。




