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落ちこぼれ天使3

自分の天使の輪は残り少ない。恐らくあと1週間ももたない。はやく、恋愛を進展させないと。

手持ちのうさ耳はほとんど渡してあるが、どれも成熟するには、時間がたりない。

「このままじゃまずいぴょん。あんたたち!早くデートするぴょん!唇奪うぴょん!押し倒すぴょん!!」

それぞれの恋愛模様は把握している。だが、どれも時間がたりない。全然余裕だと思っていた。こないだの一件がなければ、とっくに、天使見習い卒業だったはずなのに。どうして。

「現代社会の闇ぴょん。まずいぴょん、マジでまずいぴょん。」

彼女の手にはうさ耳。新たなターゲットをみつけるわけには、いかない。

「重ねがけをするぴょんか」

恋創器(ラブメイカー)の重ねがけなんて話を聞いたことはない。おそらく効果がブーストされるはず。だが、今度規則を破ると自分は完全に脱落だ。

「人間への過干渉はダメぴょん。でも行きすぎなければいいぴょん」

彼女の手は震えていた。

「今付き合ってる組み合わせは、、、あの子たちか」

彼女の目線の先には、蓮がいた。


蓮太郎は自室で夏祭りのチラシを探す。

「まず、あいつの性格上、会場になる恋弓神社で集合するだろ?屋台を楽しんで、その後は花火を見学って感じが王道だよな」

夏祭りは毎年学校が夏休みに入る週に近所の神社である。また花火もあがる本格的なものだ。大体の生徒は学校や神社で待ち合わせをしてそこから祭りにいくことが多い。

「そうね。そのあと暗がりに連れ込んで、ぴょんぴょんするのね」

「ぴょんぴょんするっていうな。さすがに屋台回っている時にぴょんぴょんしないだろ。てかぴょんぴょんって具体的になにするんだよ」


2人して赤くなった。


「愛之助も、ぴょんぴょん言ってるじゃない。天使のぴょん子もさすがにこれ以上ミスすることはできないから、慎重になるはずよ」

「うさ耳の暴走を防ぐには、どうすればいい?おれは見ることができないんだろ?」

「ぴょん子に頼んでみるとかかしら。望みは薄いけどね。あとは基本人間一人につき一つの恋創器が使えるの。だから別の恋創器を使えば防げるかも。」

「早もん勝ちとかはないのか?」

「おそらく、ないわね。彼女も気持ちがたかまるお祭りの当日にしかけてくると思うの。だから押し勝つ必要があるから、普通に刺すより難しいかも。強い想いがいるわ」

「強い想い、ねぇ」

「愛之助。強い想いには、相手のことを知って、自分の気持ちを強く持つことがいるの。わたしも、いい方法ないか調べてくるから、お祭りの日の朝またここにくるわ。それまでにちゃんと考えておきなさい」

そういうとラブの体がしだいに薄くなり消えた。夢だったのかな。ただしこたま殴られた痛みは残っていたから信じられないが、夢では無いのだろう。

蓮は幼なじみの1人だ。鬼ごっこやかくれんぼ、ゲームしたりよく遊んでいた。気楽に話せて楽しい親友だ。昔は男の子だと思っていて、当時好きだった女の子を取られまいか必死だった時もある。

「懐かしいな」

大事な親友が、あいつが悲しむところは見たくない。


次の日。

「恋人に会わせてほしい?なんでだよ?」

蓮は訝しげにこちらを見ている。放課後の帰り道に蓮に話しかけた。

「いや、その、お前が心配で」

「心配?なんでアイが心配するんだよ」

「あ、いや」

さすがにラブの話をするわけには、いかない。天使見習いの事情もあるし、恋人が変態になるかもしれないなんてな。

「ふーん、週末の夏祭り。アイは、来るのか?」

「まーな。夏祭り蓮とも一緒によく行ったよな。」

「そうだな。アイは金魚がなかなかすくえなくて、小遣いはたいて、それでも取れなくて、泣いてたよな。ははは」

「うっせえ。1年生の時の話を持ち出すなよ」

「あの時は良かったよな。楽しかった。3人仲良く遊んでた。アイは誰かと一緒に行くのか?」

「んーまぁ」

ラブと一緒にいくわけだからな。

「……そっか。じゃあ会場で会うかもね。今日はここでいいや。またな」



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