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しかし、その日は何かが違っていた。極度にルーティン化された生活を送ると少しの違いに敏感になるものである。エラー表示を見ながら、嫌な予感に襲われつつも、山田は作業場所へと向かった。次にやるべきことはタブレットに指示された内容をそのまま行うだけであったはずだった。しかし、そこで起きていたのは単純なエラーなどではなく、ポットから見たことのない個体が出てきているという事態であった。

ポットの中で生を完結する人間は、誕生し、その肉体が役割を終え生命が終わりになるとポットの中を満たす溶液に溶け出し、次の生命が生まれた後の培養する溶液へと変化するものである。「向こう」の世界ではそれに合わせて「向こう」の「肉体」を火葬したり、土葬したりするが、本来的にはこちら側の肉体が溶けて終わりになる、ただそれだけのことである。

それが、この日はどうしたことか個体がポットから出てきているのである。もちろん、そのこと自体は有史になかったわけではない。ただ、初めて見るその事態には、山田はかつてない驚きと共に、面倒なことになったという感情を禁じ得なかった。

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