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渇望  作者: ヘルム
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【■■県.■■市.■■町.■■■.■丁目■番■■号】


【■■県.■■市.■■町.■■■.■丁目■番■■号】


インタビュー記録


インタビュー対象:高橋 千尋

インタビュアー:エージェント出灰

日付:2023年9月29日

補足:高橋千尋は当該家屋付近に住む主婦。



〈録音開始〉


高橋:――は言われてもねぇ。


出灰:何でもいいんですよ。なにか記憶に残ってる事ありませんか?


高橋:そうやねぇ。怖い人達が出入りしてるのは見るけど……。


出灰:そのなかに……この男はいましたか?


〔エージェント出灰が和泉洋平の写真を提示する〕


高橋:……おったかなぁ。……いや、この人は見たことあるんやけど、あの家入ってんのは見たことないわぁ。


出灰:ほう……どこで見ました?


高橋:そこの石川さんトコの……ああ……ダム湖の近くに住んでる人なんやけど、犬の散歩に行った時に見たわぁ。


出灰:その時の様子はどうでした?なにか持っていたりとか。


高橋:ああ、なんかリュック背負ってたなぁ。


出灰:それは……どれくらいの大きさです? 小型犬が入るくらいですか?


高橋:……いや、頑張れば大型犬くらいは……。


出灰:なるほど。他になにか気になったこととかはありませんでしたか?


高橋:……その人がおったとこさ、T川とH川に挟まれててさ。ちょうどダムとそこから流れる川がA市に続いてくのが見えるんね。そこをずうっとぼうっとしてみてたんよ。…ほら、あそこって自殺者も出たって話も聞くし。私が通り過ぎる間もじっと見てたわ。


出灰:その後どこへ行ったかとか、どこから来たとかわかりますか?


高橋:いやぁ、ちょっと……。


出灰:そうですか。……いや、ありがとうございました。すいませんね、こんな雨のなか。


高橋:いや、いいんですよ。大変ですね警察の方も。ほらさっきもテレビで言ってましたよ。土砂崩れ道が塞がれたとか。


〈録音終了〉




インタビュー対象:橋本 豊

インタビュアー:エージェント出灰

日付:2023年9月29日

補足:橋本豊は■■府から当該家屋に唯一続く国道■■号に存在するコンビニエンスストア店員。



〈録音開始〉


出灰:――――んですよ。


橋本:はぁ、そう言われましてもね。前に住んでた人が借金なんかでどっか行っちゃったのは知ってますけど……。今の人達はね、ああいう筋の人の人ってだけで……。


出灰:いや、ホントに、なんでも構わないんですよ。なにか知ってることありません?


橋本:……うーん。あの人らもよく来ますけどねぇ。……あ!誰か知らん人いましたよ。


出灰:それって…この人ですか?


〔エージェント出灰が和泉洋平の写真を提示する〕


橋本:ああ、そう!この人!


出灰:なにか話したりしてませんでした?


橋本:いや……こう……逃げないよう監視されてるって感じでしたよ。


出灰:……この男以外に何人いました?


橋本:3人です。


出灰:車には誰かいましたか?


橋本:多分……1人いたんじゃないかな、と。……防犯カメラ見たらわかりますよ。


出灰:あ、記録してるんですか?後で見させてください。


橋本:ええ、もちろん。


出灰:そうですね。……彼らは……なにか持っていたりしませんでしたか?


橋本:拳銃とか?


出灰:ええ、それもありますが……鞄を持っていたりとか。


橋本:いや、持っていませんでしたね。車のなかにはなんかあったかも知れませんけど。


出灰:そうですか。お仕事中失礼しました。ありがとうございます。


橋本:別に構いませんよ。この雨ですからねぇ。……誰も来やしませんよ。ネットがつながらないんですよ。なにか知りません?


〈録音終了〉








インタビュー対象:

インタビュアー:エージェント出灰

日付:2023年9月29日

補足:■■県■■市■■



〈録音開始〉


エージェント出灰:……すいません、少しお話伺いたいんですけど。


エージェント出灰:……あの、聞こえてます?


〔エージェント出灰が和泉洋平の写真を見る〕


エージェント出灰:ああ、そうですね。


エージェント出灰:さあ……多分たくさんあるでしょうね。自分ではわかりませんが。あなやもそうでしょう?


エージェント出灰:どうしようもありませんよ。進むには捨て続けなければ。


エージェント出灰:悪趣味ですね。


エージェント出灰:それでもやるしかないでしょう。私なんか今戸籍があるかどうかも怪しい。


エージェント出灰:……本当に悪趣味ですね。


〈録音終了〉


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