エピローグ
私、お母様が白い粉を隠し持っているの、ちゃんと知っていたのよ。
丁度よいからそれをチョコレートにかけてみたの。
なかなか上手にできたと思うわ。
箱にリボンを綺麗に掛け直したら、お店で買ってきたのと変わらなく見えるでしょう。
お誕生日が近いって聞いてたから、ちゃんとお姉様に渡してくれるようにってお父様にお願いしたの。
でも、あの人の口には入らなかったのね。
本当に残念。
それに量が少なかったみたい。やっぱり残り物じゃ駄目なのね。
さて、どうしようかしら。
フレデリク様は私の方がいいって言ってくれたけど、私が侯爵家を継げるように、もう一度ちゃんとしておいた方がいいかしら。
ねえ、お姉様?
◇◇◇
運のいいこと。摂取量が少なかったのね。
予定とは違うけど、まあいいでしょう。
しばらく様子を見ていたけれど、だいぶ弱っているようだし復帰は無理そうね。
薬のことは公表されてしまったから、これ以上は危険そうだし。
それに下手に誰かが代理侯爵なんてことになったらまた厄介だわ。
死なない程度に生きていてもらいましょう。
私が成人するまで、ね。
邪魔者は自滅していったし、片づける手間がはぶけて良かったわ。
さよなら、不潔なお父様。
さよなら、弁えないお父様の愛人。
さよなら、馬鹿な娘。
さよなら、空っぽな婚約者。
さよなら、娘を道具としか見ない、愛そうともしないお母様。
お父様の代わりに八つ当たりなんて、見当違いなことは止めて欲しいわ。
本当に愚かなお母様。
さあ、これから私は自由よ。
好きにさせてもらうわね。
お読み頂き本当にありがとうございました。婚約破棄面白いな~と思い、勢いで書き始め、勢いで書き上げました。設定等本当にゆるゆる、かなり方向性の違うものになりましたので、思っていたのと違う等ご批判もあるかと思いますが、メンタル弱いのでお手柔らかにお願い致します。
評価・ブックーマークして頂き本当にありがとうございました。とても嬉しく励みになりました。この場を借りて御礼申し上げます。




