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後片付け

目の前の惨劇を目にして尚、俺に立ち向かってくるものが一人いた。だが、その一人も難なく殺されてしまうと、もはや皆放心状態になってしまったようだ。


さて、これからどうしようか。この村には用がなくなったので今度は近くの大きな町へ行きたいのだが。村人に聞いてみるか。


「おい、ここから一番近い町はどこにある」

「...」


放心して答えられないのか、答えたくないのか。どちらか分からないが、ならば答えたいようにさせるまでだ。


男の頭に手を置き、体の時間は止め、脳だけ時間を進めてやる。体が動かせずに脳だけ動いている感覚は辛いだろう。


さて、そろそろいいかな。男にかけた時間魔法を解除してやる。


「...」


だが反応はない。おかしいな、解除したはずなのだが。

ああ、そうか。もう廃人になってしまったのか。少し時間を進めすぎたな。十年は流石に長すぎたようだ。

仕方ない。他の奴に聞くとしよう。


「さあ、こうなりたくなければさっさと町の場所を教えてもらおうか」

「ここから西の方にジソンという大きな町があります。そこへ行かれては」

「そうか、分かった」


素直に答えてくれて何よりだ。

では、こいつらを処分しておこう。あとで俺の事を何か言われると面倒だからな。

これで助かる、という顔をしている村人全員の時間を戻し消滅させてやった。死体の時間も戻るか少し不安になったが杞憂だった。


これで、俺の時間魔法の存在を知っているものは一人も居なくなり証拠も消えたという訳だ。


早速ジソンとかいう町へ向かうとしよう。

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