ある一日の終わり
子牛の面倒を見てる間も搾乳の流れは止まらない、様子を見ながら牛たちの移動もさせ続けなければいけない。
だから、産まれないことを願いながら仕事をするという、不謹慎なことをいつも願っている。大体、出産は胎盤に血もドバドバ出るからグロテスクであんまり得意じゃないし、しかも生まれた子牛は糞まみれだからたまったもんじゃないのだ。
そして、一番の問題はわたしの仕事スピードだと1回の搾乳につき3頭までしか対応ができないからだ。
ハッピー先輩くらいになると6頭はいけるらしい、、、ただの化け物。
後半も同じように仕事を進めて、14時半に仕事が終わった。
「お疲れマリー。今日は2頭だけで助かったよ」
「オツカレサマデース!」
私たちが話してる間にさっさと片付けて去って行くハッピー。
「ハッピーは今日どうだった?」
「コワカッタデース」
「今日もキレてたのかよ、ハッピー。さっさと帰って寝よーか。あー疲れたー。」
「ツカレマシター。イマカラオサケノムヨー!キマスカ?」
「スリープするからやめとくよー。またね」
場内の寮には住んでいるけど、場所が違うからマリーとは別れて家に帰る。外国人たちは同じ部屋で仕事終わりは買ってきたお酒でパーティーしてるらしい。元気すぎて羨ましいくらいだ。
「にゃ〜ん」
牧場の野良猫たちがいつものように遊べと集まってくる。この子達と戯れるのがわたしの仕事終わりの日課だ。
「あーーー疲れたーーー。」
そのあと、外で糞まみれのつなぎとヤッケを洗ってから洗濯機にぶち込んで、シャワーを浴びて昼ごはんを食べて泥のように眠った。