マリーとハッピー先輩
憂鬱な気持ちでつなぎのポケットに両手を突っ込んで歩く。遠くから見たら小さいおっさんにしか見えないのだろう。
「はぁ」
ため息しかでない
「って!うわぁあ!?」
急に誰かに腰を掴まれて反射的に叫ぶ
「オハヨーゴザイマース!!」
「なんだマリーかぁ、びっくりしたー。こんな夜に怖いに決まってんだろー!もー!」
爆笑してるマリーに身振り手振りをしながら日本語で話しかける。フィリピンから働きに来てる同年代の女の子だ。言葉は分からなくても、適当に身振り手振りや表情を大げさにしとけばなんとなく話は通じるもんだってことは、ここに来てから知ったことの一つだ。
マリーにこちょこちょしかえしたり、2人でじゃれあいながら、作業場に向かう。
「「おはよーございまーす」」
中に入るとハッピー先輩がいた。
影でしか呼んでないから本名は違うけど顔に似合わずハッピー◯ーンが好きすぎていつでも常備してるから略してハッピー。彼も長年の牧場勤めでおかしくなった先輩の一人だ。そして外国の子達のかっこいいランキング圏外の常連だ。
「ぅす」
声が小さすぎて聞こえないのも奴の特徴だ。そしてすぐキレる。
今日は、この3人のパーティらしい
ハッピーは仕事早いから、時間通りには終わるはず。そう考えて腹をくくって仕事を始めた。
現在時刻、早朝3時30分