始まりと終わりの序曲
「…」
周りを見渡す。街の明るい街灯が目に入る。
「おーい、ハル。そこで何してんだ?」
「夜景を楽しんでる。」
「もうすぐ時間だ。行くぞ。」
「分かってる。」
今日もまたか…と思いつつ、俺は左手に刀を持った。
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「なんだよ…ありゃ…」
目の前には、謎の気持ち悪い化け物がいた。
「やめてくれ…まだ…死にたくない」
その時目の前の生物は真っ二つになった。
「やあ、君大丈夫?」
視線の先には華麗な少女が、日本刀を持っていた。
「大丈夫だ。でも君は?」
「ああ、あたしは舞。有野舞」
「一つ聞いていいか?あれはなんだ?」
「話すと長いから簡単に言うけど、人間を喰う化け物さ」
何を冗談を言っている、と思った。しかし、逃げ惑う人たちに食べられた者達もいた。
「早く逃げなよ。ここにいると食べられて死ぬよ?」
そう言って少女は化け物に向かって走っていった。その後の事は覚えていない。
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「ここは…」
周りを見渡した。病院なのか、ベッドの上で寝ていたようだ。
「うっ…」
急に頭痛がした。
「起きたようだね」
ドアを開けて男の人が入ってきた。
「君は昨日の事を覚えているかね?」
「まあ、なんとなく…」
「なら話が早い。君にはあれと対等に戦う力がある。君には我々と共にあれと戦ってもらいたい」
「は?俺はただの人間ですよ?あんなのと戦える訳が…」
「その様子じゃ、覚醒した後の事は覚えてないみたいだな」
「覚醒?」
なんのことやらさっぱり分からない。
「君には、あれと互角以上に戦う力を持っている」
「あれと…?」
「ああ、君は珍しいタイプだがね」
あれと戦う力…確かにあれは、人を喰らう化け物だった。俺の力で救うことが出来るのか?
「その…俺は何が珍しいのでしょう?」
「簡単に言うとな。君は変身して戦うっていうやつかな?」
「変身…」
「君は今まで何か他の人と違った体験などないかな?」
言われて見れば沢山あるかも知れない。でもそれとなんの関係があるってことなのか?
「確かに、少しだけその先の事が分かるってことはありました」
「そういうこと、君は特殊なタイプ。それに君に宿ってる力がある。それがこの力の元だろう」
「それは…何ですか?」
「吸血鬼」
「えっ…?」
俺は驚いた。俺はただの人間のはずだ。何故吸血鬼なのか?
「舞の話によると、君は昨日紅く燃える刀を持って奴らを倒してたそうだ」
そんな事があったとは…全く気付かなかった。
「奴らを倒した後、君は気絶してここに連れてこられたわけだ」
「世界を救える力…」
「ああ、そしてこれが君が持っていた刀だ」
見た目は日本刀のようだ。鞘から抜いてみたら刀身が黒色に輝いていた。
「力を使っていなければ普通の刀だな…」
「見てないのですか?」
「見てないって言うより抜けなかった…かな」
抜けなかった?こんな簡単に抜けたのに?
「どうやら、持ち主以外には抜けない仕様かな?」
「分かりません…初めて見る物ですから」
「話は変わるけど、これからどうする?俺たちと共に戦うか、力をもってしても逃げるか?」
「俺は…」
かなり悩んだ。死ぬ事は怖い。しかし、戦わなければ、沢山の人とが死ぬ。救うか、逃げるか…
「俺は…
戦います…!」
「いい目をしてるぜ。とりあえず、今はしっかり休め」
男は部屋から出ていった。そして俺はまた眠りについた。
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明るい、朝のようだ。昨日の話が嘘だったみたいに空は蒼い。
俺は昨日貰った服を着て彼の元を訪れた。
「おはよう。昨日は、良く寝れたかい?」
「もちろんです」
「まず君の名前を教えてくれるかい?」
「福嶋遥樹、17です」
「いい名前だ。俺は有栖川麻弥だ。早速だが、ハルお前に討伐してきて欲しい奴がいる」
「なんの訓練もなしにですか?」
「実戦をする方が何倍もましだ。安心しろ、相手は、最弱のレベル1の奴だ。むしろ死ぬ方が難しい相手だ」
「は、はぁ…」
「パートナーを呼んでいる。色々教えてもらうといい。舞、準備はいいか?」
「もちろんです!司令官!」
そうして、俺と奴らの戦いが幕を開けた。
ただいまです。新作です!失踪してた訳ではありません!ネタが尽きてただけです!あっちの方は気が向いたら更新しておきます。いいネタ見つかり次第更新しとおきます。どっちにしろ、こっちも気分次第で更新します。