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story1 光の戦士!ジュエルスローズ
私は、生まれつき心臓に障がいがあって。
学校にもなかなか行けず、気弱で引っ込み思案な性格もあって、友達がいなかった。
私が居ても居なくても、この世界の時間は何事もなく過ぎていって。
私はこのまま、誰の役にも立てないまま生きていくのかなぁって。
そう考えると、寂しくなった――…
「じゃあ小波さん、ここで待っててね」
「は…はい…」
私――小波桃香は、1-Aと書かれた教室の前に立っていた。
私は、今日この学校――――白峰学園――――に転校してきた。
その理由は、両親がパリヘ仕事に行き、お婆ちゃんの家に来ることになったからだ。
「今日は、皆さんに転入生を紹介しまーす!」
テンションが高い先生だな、と思った。
「小波さん、入ってきてー」
来た。
凄く苦手な行事。
やっぱ、両親についていけばよかったといまさらながらに後悔する。
両親は、パリへ今行っており、桃香は祖母と二人で暮らしている。
その関係で、この町に引っ越してきたのだが―――
何十人もの顔に見つめられ、桃香はすっかりあがってしまった。
「…あの、えっと、小波…桃香…です。その…よろしくお願いします」