休息
「…うぅ、こんな手荒な…初めては魔女様って…決めていたのに…」
「拘束してるだけなのに誤解を招くような言い方やめてくれる?!」
ディアを確保し、近くの洞窟で少し休息をとっていた。一応ディアが暴れるかもと心配だったので近くにあった蔦で縛っている。
「…はぁ、私の……負け、認める…よ……痛い…から、これ…解いてくれる…?」
「あ、案外すんなりと認めるんだ…てかなんか性格変わった?あたしてっきり真面目な敬語キャラかと思ってた」
「…あ、タメ口じゃ…ダメだった…?…その、対等な…仲間になったら……こういうふうに話すのかなって…」
「仲間になってくれるの?!やった!ちょうど今からディアっちをどうやって説得するか話し合うところだったんだ!」
「すんなりと…でもいいの?それだと師匠の事、裏切る事になるんじゃ…」
「あ、その……魔女様に言われたの…戦闘して負けた時は……仲間になってあげてって…」
「ん〜?コハクはそんなこと言われてないですよぉ…コハクが裏切る事バレてたんですかねぇ?」
「ほ、本当!魔女様と…仲間に…嘘はつかないよ……」
「んー、難しい事はいいや!これで四人になった所だし、先生探し再開しよ!」
短い休息も終わり、再び森へ向かうことにした。
ーーー
「本当にこっちなんですかぁ…?暗くてじめじめして凄く嫌なのですぅ…コハクはもう帰りたいのですよぉ…」
「しょうがないじゃん!ちゃんと後辿らないとすぐ分かんなくなっちゃうし…あたしだって頑張ってるの!」
高い気がそびえ立ち、空はあまり見えない。日差しが届かないからか昼過ぎだと言うのに未だに朝露の雨水が乾かないようだ。
しばらく進んだ後、ミリアは歩みをとめひとつの大木を指さした。
「…あそこで匂いが止まってる。……多分、罠だと思う、なんか凄く不自然」
警戒態勢をとり、辺りを見渡す。…見渡すと言ってもほとんど樹木と葉しか見えないが。
覚悟を決め、慎重に歩みを進める。
大木の元まで歩くが何も起こらない。罠という罠も仕掛けてある風には感じない…何も異常はない、そうミリア達に伝えようと振り向いた瞬間…その時だった。
「──っ!カナメ!!後ろ!!」
不思議と痛みはなかった。
胸に突き刺さる、透明な剣。少しだけ、自らの血で赤く染っていた。
そんな情景とは不相応な…魔女の優しい抱擁を感じながら、意識を失った。




