デート
「…!魔女様、こちらです!」
ひょんなことから魔女はイディアとデートをする事になり、一度寮に帰ってから街のハズレにある公園で待ち合わせをしました。
「しかし…一体何故一度解散したのですか?カフェを出てそのままデートをしても良かった気がするのですが…」
「えへへ、な、何となく…そっちの方が雰囲気があるかなって…そ、それに、これを忘れちゃって……その、せっかくだし今日、お渡ししようかと…」
渡されたラッピングされた袋を開けると、紫と青のチェック柄のマフラーが入っていました。
「おや、これは…マフラー、ですか。…おぉ、ふわふわ…こんなに質のいい物を貰っても良いのですか?」
「…その、旅をしていると聞いて…もし雪国に行っても寒くないように、と思って…ま、魔女様を想いながら編んだので…気に入って貰えたら嬉しい、です…」
「ありがとうございます、イディアさん。大切にしますね」
「…えへ、へ…さ、さぁ!早速行きましょうか、魔女様…!」
イディアは終始嬉しそうにしながら魔女と二人、目的地へ向かいました。
ーーー
林に入り、しばらく歩くと小さな池のある開けた場所へと出ました。
「ここ…私のお気に入りの場所、なんです。魔女様が助けてくださった後……七歳の時…私は魔術学園の学長に拾われて…それからずっと、寮で暮らしているんです。ご、ご存知の通り、私の性格上…あまり人と仲良くなれなくて…嫌な事があった時はここに来て、魔女様の事を想いながら星を眺めるんです。…夜、この池の水面に反射する星は…とても綺麗なんですよ!」
まだ星は見えませんが、空に薄く浮かんだ月が水面に写っていました。夕暮れ前でもこんなに美しいのですから、深夜となれば絶景となるでしょう。
「……そ、その、魔女様!…わ、私…あなたに…伝えたいことが、あるん…です…」
池の周りを少し歩いていると、イディアに少し離れた位置から声をかけられました。緊張しているのか頬を染め、動悸を抑えるように胸に手を当てながら魔女に向かって叫びました。
「…あの、…その……わ、私…私と…一緒に、…死んでくださいませんか…!」




