才女
「嘘…中級魔術定期試験、2位…?そんな…カンニングなんて…あたしも一緒に行ってあげるから、今からでも謝りに…」
「してないよ!勝手に決め付けないでくれる?!」
学園へ来て1週間、丁度定期考査の時期だった。
編入して間もなかったが、師匠に教わった魔術基礎が役に立った為中々良い成績を収めることが出来た。
ミリアは…ギリギリ再試を回避したようだ。
「凄い…あ、あの!カナメ…さんですよね?」
「は、はい…どうかしましたか?」
黒髪の前髪で目を隠した陰気な少女が話しかけてきた。
「試験の結果、見ました…編入して間もないのに凄い、ですね…。……その…少しお聞きしたい事が…魔女様の、お弟子さん…なんですよね?」
「魔女様…アリア師匠の事でしょうか?」
「は、はい!その…烏滸がましい事は承知なのですが…もし、魔女様がお暇な時があれば…一目でもお会いしたいと…伝言して頂けませんか……?私、ずっと憧れてて……。我儘言ってしまってごめんなさい!」
「師匠がどうするかは分かりませんが…一応伝えておきますね。あ…えっと、名前は…?」
「あ、ごめんなさい…失念していました…わ、私はイディア・ローズクライです…」
「イディア…あれ、もしかして…試験1位の?!」
ミリアが驚き、声を上げた。試験結果の紙を見返すと、1位の欄にイディア・ローズクライとの名が書かれていた。
「凄い…それも満点……?!あの最後の難問を解いたんですか?!」
最後の難問…唯一解けず、満点を逃してしまった問題。それは、占星術の魔術論だった。
本来、占星術は魔術の型枠に入る事は少ない。魔法でないからだ。簡単に言うと、占星術は自らの魔力ではなく、星から放たれる微かな光に混ざる魔力を魔術で救い取り、変換する…といったものだ。
まず生活で使う事はなく、必要な職業も少ない。それに戦闘等で使う場面もない為占星術師になりたい人だけが学ぶものといった認識だ。
師匠は一応扱えるようだが、今は必要が無いからと教えて貰ったことはない。
「えへへ…範囲外だったんですけど、魔女様が扱えると聞いて、私も勉強しようって思って…その知識が役に立ちました…」
師匠が占星術を扱えることを知っているとは、かなりの師匠愛好家みたいだ…僕も負けないようにしないとな…




