学園
「今日から一か月程、特別講師としてお世話になるアリア・グランデリと申します。これから、どうぞよろしくお願いいたしますね」
パルスの次の目的地、アタウィスへ着いた魔女は教鞭を執ることになりました。
遡ること半年…カナメと出会う一か月前。魔女の元に一通の手紙が届きました。中身を見てみると、最高峰と名高いロスヘルス魔術学園の理事長から講師をしてみないか、とのお誘いでした。
魔女の拠点から学園のあるアタウィスまではかなり距離があるのですが、偉大なる魔女の名は遠くまで轟いているようで…功績を聞き依頼の手紙を寄越したとの事でした。
一瞬、断ろうかと魔女は思いましたが、報酬はかなり弾むとの事で…手紙が来て1日と経たずに了承の手紙を伝書鳩で飛ばしました。
初級、中級、上級…そして最高の特級まで学ぶことの出来るこの学園にはかなりの生徒が在籍しており、なかなか広大な敷地を誇っています。ちなみに魔女が教鞭を執ることになったのは上級と特級の生徒です。
普段、この様な学園などで教師をするのは面倒事が多いので乗り気ではありませんが、実験器具や施設、それに魔道具等自由に使用して良いと理事長からお許しを頂けたため、魔女は内心とても喜んでいました。
ーーー
「…疲れました……誰か、肩を揉んでください…」
学園内にある寮で、魔女は疲れ果てていました。
「う〜…意味わかんない…難し過ぎるよ!先生助けてー!」
「あ、ミリアそれ回答欄1個ズレてる…」
「え、嘘?!うぐぐ〜…カナメの写させてよ!」
カナメとミリアは魔女が教師として学園に滞在する間、臨時的に学園の生徒として過ごすことになりました。2人とも中級の為、授業で会うことはありません。ですが、一人だけで教えるのも知識が偏ってしまうと危惧していたので、ちょうど良い機会です。
ちなみにコハクは学園で学ぶのを嫌がった為、資金稼ぎのアルバイトに行っています。
「しかし…寮の空き部屋がないからと屋根裏に通されるとは…屋敷のふかふかのお布団が恋しいです…」
「それもまた三人一部屋しか使えないなんて…流石に僕も慣れてきましたけど…」
「あたしは先生と一緒に居れる時間が少しでも長くなるならなんでもいいけどね〜あ、でもコハクが居ないのはちょっと寂しいかも…野良化しなければいいけど」
「休みが来たら、皆で会いに行ってみましょうか。また盗みを働いていなければ良いのですが…」




